レギュラーコーヒーの成長領域に起爆剤 「職人の珈琲」全面刷新、小容量品なども強化 UCC上島珈琲

UCC上島珈琲は春夏、主力ブランドの「ゴールドスペシャル」と「職人の珈琲」で基礎を固めてレギュラーコーヒー市場と売場の活性化を図っていく。

レギュラーコーヒー市場は、在宅時間の増加などが追い風となり20年3-8月の販売金額は10%強伸長したと推定される。この中で成長の牽引役とされるのが、249g以下の小容量・豆商品・11P入り以上の簡便抽出型(ドリップコーヒー)の主に3つの領域となる。

この市場動向を受け、9日取材に応じた渡邊志織嗜好品マーケティング部部長は二極化の進行を指摘する。「在宅時間が増えて手間をかけて調理するようなことがレギュラーコーヒーの消費も押し上げ、豆からいれてみたい人が増える一方で、簡単・時短ニーズでドリップタイプやバッグタイプが消費を伸ばしている」と述べる。

簡便ニーズには、ドリップコーヒーでシェアトップの「職人の珈琲」のパッケージを全面刷新してトップの座をさらに強固なものにしていくとともに、現在シェア3位の袋入り粉タイプ(軟包材・AP)の地位向上を図る。「APでは『ゴールドスペシャル』に続くナンバー2を目指していく」という。

渡邊志織部長(UCC上島珈琲)
渡邊志織部長(UCC上島珈琲)

「職人の珈琲」の300g袋入りシリーズとドリップコーヒーシリーズは、収穫されたコーヒーチェリーをそのまま天日で乾燥してコーヒーの実の果肉の甘みと旨味を凝縮したナチュラル精製豆を50%以上使用。焙煎はコクと香りの目的別に焙煎するWロースト製法を採用している。

今回、商品コンセプトを「熟練の珈琲職人たちのこだわりを、いつでも手軽に味わえる」に変更してパッケージを刷新。味覚の分かりやすさやシンプルさはそのままに、豆へのこだわり、おいしさ、香りをより想起させるデザインへと磨きをかけた。

シンプルさや味覚表現などは現行パッケージのよい点を継続し、全体的に色や質感で高級感を持たせ、豆の多さと、洗練されたブランドロゴを横に並べることで商品の世界観の伝達を強化した。

パッケージの刷新は、レギュラーコーヒーにとどまらず、インスタントコーヒーやボトルコーヒーでも行い、これに新たにラインアップするポーションコーヒーを加えて「職人の珈琲」全体で目新しさを打ち出す。

コミュニケーションは、デジタル広告を中心にWロースト製法などの品質へのこだわりを訴求する。

デジタル広告については「大物タレントを起用し“みせる広告”ではなく、何度でも“みたくなる広告”で、いい意味での違和感を創出してブランドへの共感性を高めていく」考えだ。店頭ではデジタル広告と連動した販促物を展開してエンド陳列につなげる。

「ゴールドスペシャル」は昨年に引き続きアイス専用レギュラーコーヒーを活性化させる。「おいしいカフェインレスコーヒー 水出しアイスコーヒー」や新商品とともに夏場に向けてアイスコーヒーのマストバイキャンペーンを実施する。

「ROAST MASTER」の「ドリップコーヒー マイルドfor BLACK」㊧と「ドリップコーヒー リッチfor LATTE」(UCC上島珈琲)
「ROAST MASTER」の「ドリップコーヒー マイルドfor BLACK」㊧と「ドリップコーヒー リッチfor LATTE」

「ゴールドスペシャル」「職人の珈琲」に次ぐ3つ目の柱として「ROAST MASTER」にも磨きをかける。3月8日に「ドリップコーヒー マイルド for BLACK」(8P)と「ドリップコーヒー リッチ for LATTE」(同)を新発売する。

「ROAST MASTER」は、「UCCローストマイスターコンテスト」で初代の王者となった焙煎の匠・齊藤浩介氏が監修し焙煎技術を駆使して作りあげたコーヒー。

今回、焙煎度をより分かりやすく表記するとともに、コーヒー豆専門店で購入するようなイメージを意識しクラフト感を強調するため、外装フィルムの一部に紙素材を使用。加えて、植物性インキを使用して環境配慮型設計となっている。

好調な豆商品については、ECでのキャンペーン実施や「ゴールドスペシャル」の豆商品をサンプリングするなどして強化している。豆商品市場は昨年3―8月で4割弱伸長したと推定され「当社の豆商品も市場に準じて拡大している」という。