中部豆みそ 輸出に活路 「和食」世界遺産登録が後押し 連載・アンダーコロナキッチン第3章「新たなニーズ」〈3〉

名古屋めしを代表する味噌煮込みうどんや味噌カツに欠かせない「みそ」。中部地区、特に愛知県では豆みその文化が根付いている。三河地方を中心に豆みそなどを醸造するメーカーが広く分布する。しかし、昨年はコロナ禍で業務用商品が苦戦したが、それ以前から人口減少、食生活の変化などさまざまな要因が重なり、市場は減少傾向を続けてきた。

全国味噌工業組合連合会の集計によると、豆みそ・米みそ・麦みそ・調合みそを合わせた出荷数量は2000年に約50万tだったのが、19年には41万tまで減少。しかし、ここ数年の豆みそに限れば、17年の1万9千753t、18年2万155t、19年2万548tとわずかに盛り返している。00年の2万5千985tに比べれば回復とは言えないものの、下げ止まり感が出てきたとの見方もある。

減少の歯止めとなっている一つの要因として海外への輸出があげられる。名古屋税関によると、19年のみそ全体の輸出額が初めて10億円を超えて過去最高を記録し、14年連続前年比プラスで推移。全国のみそ輸出額38億円の約4分の1を占める規模に成長している。

税関別の全国シェアは数量で33.2%、金額27.4%といずれも1位を記録している。

輸出の傾向は全国的にも同様で、18年の輸出額は35億円、管内8億円で、いずれも過去最高。輸出数量は全国1万7千10t、管内4千713tで、こちらも過去最高を更新する結果になった。

30年前の1988年から比較すると、数量は全国で約7.8倍、管内40.7倍。金額では全国で約6.7倍、管内で約47倍と大きく伸びていることが分かる。

管内の19年上半期の国別輸出数量実績では、アメリカが最も多く34.6%。次いで韓国16.5%、タイ15.3%となっている。

アメリカでは、和食レストランや日系スーパーがチェーン展開しているため顕著に増加。

韓国では、日本人が多く住んでいるため、みそ汁をはじめ、チゲの調味料などとしても使用されている。

タイは輸出量が増加し始めた13年から18年の間に36.1倍と急増している。大豆を使用した“タイの味噌”といわれる調味料「タオチオ」もあり、なじみやすい調味料とみられる。また、食品加工工場が増加しており、タイからさらに世界各国へ再輸出されているものもある。

さらに名古屋税関での輸出国数は増加している。09年にはアメリカ、韓国など11か国だった輸出先も、19年上半期には22か国まで増加しており、世界各地で需要が増している。

輸出の増加は、13年にユネスコ無形文化遺産に「和食」が登録されたことも要因の一つとみられる。今年はコロナ禍で一時的に落ち込んでいるものの、健康志向などで和食ブームは続いており、今後も海外への輸出は戻っていくとみられている。海外への発信が国内の消費を刺激し、盛り返しにつながっていくことが期待される。

みそ輸出額国別シェア(名古屋税関内)
みそ輸出額国別シェア(名古屋税関内)