ウイルスや細菌を運搬・排除する線毛 活発化のカギは水分補給 大塚製薬

線毛運動の仕組み 引用:大塚製薬HP 健康と病気「ヒトに備わる防御機能」
線毛運動の仕組み 引用:大塚製薬HP 健康と病気「ヒトに備わる防御機能」

呼吸の際に吸い込んだ空気にはウイルスや細菌などが含まれるが、これらの異物が肺まで届かないように守っているのが、咽喉から肺に至る気道内を覆う粘液と線毛。気道に侵入してきたウイルスなどは粘液で捕らえられると、その下にある線毛の動きによって運搬・排除されるように、線毛は気道における防御機能の重要な役割を担っている。

線毛は気道内で常に粘液と接しているため、体が乾燥しがちな季節には粘液も少なくなり、その動きを鈍らせてしまう。冬に風邪やインフルエンザにかかりやすくなるのも、この線毛の働きの低下が一因とされる。

これを防ぐカギとなるのは水分補給で、水分を摂ることで線毛が潤い本来の機能を維持する。中でもイオン飲料は、(普通の)水と比べて脱水により生じた血漿量の減少を回復させたり、飲んだ水分を体内に長くとどまらせる効果が高いことが明らかにされている。

取材に応じた大塚製薬ニュートラシューティカルズ事業製品部の原康太郎氏は、大塚製薬の佐賀栄養製品研究所で行った「低湿度環境における鼻腔粘液線毛輸送機能の低下を抑制」の研究から「イオン飲料による適切な水分摂取で身体の水分を保つことが、身体の防御機能の一つである鼻腔粘液線毛輸送機能を維持するのに重要」と説明する。

同研究は、健常成人男性14人を対象に、合成甘味料であるサッカリン顆粒を鼻の粘膜に付着させ、溶け出したサッカリンが線毛運動によって輸送され、咽頭で甘さとして感じるまでの時間(サッカリンタイム)を測定したものとなる。

この甘みを感じるまでの時間を、乾燥した(あるいは「低湿度の」)環境で2時間過ごす前後で測定したところ、あらかじめイオン飲料を飲んでおくと、何も飲まない場合や水を飲んだ場合と比べて、この時間の遅れが最も抑えられるという結果が得られ、イオン飲料の飲用が乾燥環境下での線毛機能の維持に役立つことが判明した。