「健康」「海外」「サステナブル」新中計で取組み加速 明治・松田克也社長

明治の松田克也社長はこのほど、2021年の方針を発表した。2021年は「明治グループ2026ビジョン」の達成に向けた新しい中期経営計画がスタートする年となるが、「新型コロナウイルス感染症の影響は長期化し、厳しい経営環境が続くと予想される」(松田社長)という中、「健康価値の提供」「海外事業における成長」「サステナビリティの推進」を中心に取り組む考えだ。

  ◇  ◇

新型コロナウイルス感染症は、「健康」という顧客ニーズを大きく加速させた。これまで当社ならではの健康価値の提供を経営の軸に据えてきたが、よりステージアップしていく必要があると考えている。体調管理や免疫力ニーズへの取り組みの継続に加え、日本人のタンパク質の摂取不足という社会課題を解決するため、昨年3月からスタートさせた新ブランド「TANPACT」(タンパクト)と、フラクトオリゴ糖の可能性を広げていきたい。

「TANPACT」は、他社との協業やラインアップを一層拡大しながら、日本のタンパク質摂取不足の解決に向けて取り組み、2023年には当社売上高100億円を目指す。フラクトオリゴ糖は現在、「オリゴスマート」というブランドでチョコレートやアイスクリームなどを展開し好評をいただいている。今年はフラクトオリゴ糖が持つ新しい健康機能の研究を進め、研究成果の発表や商品への展開を実現していきたい。

海外事業は、「明治グループ2026ビジョン」で海外市場での成長基盤を確立するという方針を掲げ、過去10年で積極的に投資し、成長への足掛かりを築いてきた。中国を最も注力する地域と位置付け投資を進めてきたが、2022年下期には天津に市乳の新工場が、2023年は広州において市乳と菓子の新工場が、同じく上海でもアイスクリームの新工場が稼働する予定だ。

昨年から当社の持つブランドや国内で培った技術の海外展開にチャレンジしている。プロテインブランドの「ザバス」の販売を昨年8月から中国で開始し、ダノンとの提携でキューブタイプの粉ミルクを欧州で展開すべく取り組みを進めている。今後も積極的な海外展開を進める。

明治グループでは「明治グループサステナビリティビジョン2026」を掲げ、さまざまなアクションに取り組んでいる。今年スタートする中期経営計画においても、サステナビリティ経営をより一層推進していく。「TANPACT」のように、事業運営そのものによって社会課題に取り組むことが、当社のサステナビリティ推進の基本的な考えだ。当社はこれまでも、当社は「食」と「健康」を事業ドメインとしている。本業がそのままサステナビリティ活動の推進につながり、社会のお役に立てる会社であるととらえている。これまで以上に健康を事業の柱として、明治ならではの、明治にしかできない健康価値の提供に努めていく。

明治グループとしては今後3年間において、300億円のESG投資枠を設定し、取り組んでいくことした。当社は2030年に、国内外のCO2排出量を2015年比40%以上削減する目標を設定し、太陽光発電など再生可能エネルギーの活用拡大を進めていく。脱プラスチックの取り組みについては、2030年度までに、2017年度比で7千700tものプラスチックの使用量を削減するため、さまざまな商品の包装を見直していく考えだ。