みそ 料理疲れに簡便品提案 免疫力向上を売場訴求 連載・アンダーコロナキッチン第2章「需要激変」〈20〉

昨年は新型コロナウイルスの影響で内食需要が増え、家庭内調理機会の頻度が高まり、家庭用食品は全般的に動きが良かったが、それにもかかわらずみそは春から秋にかけて生産・出荷量とも前年実績を割り、業界関係者に衝撃を与えた。

全国味噌工業協同組合連合会によると、昨年1~11月の生産量は4.7%減の35万7千778t、出荷量は2.8%減の35万3千188tとなった。生産量が前年を上回った月は4月、出荷量が前年を上回った月は3、6月だけだった。

一方で、総務省統計の支出金額や購入数量は悪くない。昨年1~11月の総務省統計の支出金額は2.7%増、購入数量は3.4%増となった。有力POSを見ても、量販店を主戦場とする有力メーカーや即席みそ汁を持つ大手メーカーには巣ごもりの追い風があった。

もともと量販店が主戦場ではなく、地域で業務用外食ルートや給食などに強く、また即席みそ汁を持たないみそ専業の中小メーカーは厳しい状況が続いている。全体的に市販品は堅調だったが、業務用と輸出の減少が響いており、特に業務用のダメージは大きかった。

堅調推移の市販品に需要の変化が見られる。量販店ではコロナ禍によりマネキン販売や無人試食が中止となり、来店客もできるだけ店内の滞在時間を短くしたいため、需要は定番品へ集中。その結果、広域をカバーする上位メーカーや、ローカルで強い地場トップの好調が目立つ。

メーカーや売場は今後、コロナによって生じたニーズ変化へ素早く的確に対応する必要がある。昨年はコロナ禍で健康志向が高まり、“免疫力”に注目が集まった。市販品堅調の背景にも免疫力を高める発酵食品への期待が感じられる。毎日の食事で身体の免疫力を高めたいというニーズは今後も変わらない。みその健康感がより分かりやすく消費者に伝わる商品&売場訴求が求められる。

また、健康志向とともに表面化しているのが“プチ贅沢”だ。昨今はみそ製品の中でも特に無添加みそが市場を牽引しており、中でも高価格帯に伸長傾向が見られる。高価格帯とは、g単価1.0円以上を指す。この流れを受けて今春、高価格帯の無添加みそを市場投入する有力メーカーもある。

さらに、コロナ禍による外出自粛で、家庭内での“料理疲れ”も顕在化している。近年、みそ売場では液状タイプや顆粒タイプなど調理が簡便な新型みそが徐々に増えている。新型みその簡便性について、この機会に認知度を高めたい。

また、新型コロナによりネット通販の利用が拡大している。有力メーカーは課題の一つとしてネット通販対策を挙げており、自社通販はもちろんモール型ECサイトへの誘因を強化している。

自社通販はいかに消費者を呼び込むかが課題となる。ネット通販大手が隆盛を極める中で、消費者がメーカー直販でみそを購入する意義、メリットは一体何なのか。これを見極めてオンラインショップのブランディングを図り、買い物体験を促そうという動きもある。
2020 1世帯当たりの支出金額・購入数量