お茶 巣ごもりに加え免疫力効果 スーパー売場は久々の活況 連載・アンダーコロナキッチン第2章「需要激変」〈19〉

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急須のない世帯が増え、持っていても家でお茶を急須に淹れて飲むという機会がめっきり減るなどして、茶市場縮小に歯止めがかからなかった。ティーバッグやインスタントの品揃えが増えているとはいえ、量販店のお茶売場はリーフ茶が65%を占め、8年前の13年と比べると市場は9%減、リーフ茶だけだと20%減となっている(伊藤園調べ)。しかし昨年の量販市場は、4月が二ケタ増、5月以降もほとんど前年を割ることなく推移している。巣ごもり需要と、免疫力アップが期待できるカテキン効果によるものだ。

お茶のシーズンは、新芽が出て新茶セールが始まる4月からスタートする。専門店などでの販売ウエートが高い新茶セールは緊急事態宣言で散々な目にあったが、スーパーなどの量販店は巣ごもり需要から二ケタ増となった。5月は7%増、6月2%増と月を追うごとにペースは落ち、ここまでは一般の食品と同じような推移をたどる。

違うのが、その後の動きだった。7~8月に4~5%増と盛り返し、9月は前年の消費増税に伴う駆け込み需要の反動から2%減だったが、10月は12%増、2~10月の前年同期比では7%増で推移した。

カテゴリーで見ると、リーフが6%増、ティーバッグは11%増となる。19年の前年比が7%減(571億円)で、18年から15年の4年間は毎年3%減とダウントレンドが当たり前だったリーフの6%増は信じられない数字だ。ティーバッグも3~4%増での推移が、一気に二ケタ増となっている。

緊急事態の解除後も伸長が続いているのは、緑茶が持つカテキン効果が大きい。カテキンはお茶の苦味・渋味成分のこと。コロナ以前からカテキンには抗ウイルス作用があることが知られており、昨年11月には奈良県立医科大学から、お茶による新型コロナウイルスの不活化を確認したとするニュースリリースも発表されている。

お茶は生葉を蒸す工程でカテキン含有量に差が生じ、深蒸茶が一番含有量が多く、このため深蒸茶の動きが特にいい。TVCMはなく、売場での価格訴求も少ないお茶は、新規導入から売れ筋となるまで1年ほどかけてジワジワ伸びていくのが普通だが、“濃いお茶”と銘打った商品が秋の棚替え後すぐベスト10に入った例もある。直近では、伊藤園の「特上蒸シリーズ」(リーフ)が二ケタ増、「まるごと茶カテキン40g」(粉末)は60%増、機能性表示食品の「さらさら濃い茶」(同)は4倍と跳ね上がった。

またカテキン効果ばかりでなく、11月から再び増え始めた感染者数と2度目の緊急事態宣言で、量販店のお茶売場は今も10%前後の伸びが続いている。ティーポットを含めた急須も前年を上回り始めたという調査データもあり、在宅時間が長くなり急須を使う機会が増えているようだ。急須で淹れてみれば、PET飲料のお茶との違いはたちどころに分かる。コスパも極めて高い。改めてお茶のおいしさに気がついたり、急須で淹れる時間を楽しむことを知ったリピーターがお茶売場に通い始めたようだ。