「ヱビスビール」再成長へ 多様なブランド強み発揮 サッポロビール21年方針

昨年のサッポロビールは3か年の中期経営計画の初年度だったが、コロナ禍に見舞われた。全体としては苦しんだものの成果を上げた部分もみられた。今年は生活者の変化を見据え、コロナ禍に立ち向かう。

昨年はビール類計で市場をやや上回った。狭義のビールは業務用が打撃を受けたが、「黒ラベル」缶は6年連続で、「ヱビスビール」缶は4年ぶりに前年超えを達成。「ゴールドスター」も計画比135%と躍進し、新ジャンル計では前年比2割弱増と大きな成果を上げた。

RTD(缶チューハイ等)の主力「99.99(フォーナイン)」は奥行きは深いものの、激しい競争にさらされ間口を拡大できず、また昨年初に発表した業務用の樽詰め商品もコロナ禍で家・業連動の作戦を展開できなかったことなどが響き87%。「男梅サワー」は独自性が評価されたといい前年比137%と高い伸び。RTS「濃いめのレモンサワーの素」も市場拡大に寄与したとする。

通称「赤星」といわれる業務用の「ラガービール(瓶)」は86%と、58%で着地した瓶ビール市場を大きく上回り、北海道で販売される「クラシック」缶は11年連続で売上げアップ、「ソラチ1984」缶も104%で着地するなどしており、多様なブランドを持つ強みが表れてきているという。

コロナ禍で生活スタイルが変わり消費の二極化傾向は「当たり前化」するとみて、今年は「プレミアム価値」と「リーズナブル価値」を基本戦略に掲げる。

消費者の「プレミアム」に対する価値観は、ステイタス志向から主観的幸福を重視する「パーソナル志向」へ変化しており、これからのビールには多様性とパーソナルな楽しさが求められるとみる。

今年は特にビールでプレミアム化を図り、課題であった「ヱビス」の再成長を目指す。昨年の「ヱビス」は130周年をフックに露出を強化したことなどが奏功し、缶商品は102%と成長した。

今年は「ヱビス」のコンセプトを「Color Your Time! ビールの楽しさ、もっと多彩に。」へ刷新。「『ちょっと贅沢な、自分へのごほうび』から“あなたらしいビール時間”の始まりを届けるビールへと切り替える」(野瀬裕之マーケティング本部長)とし、そのアプローチの第1弾として「ヱビスビール」「同 プレミアムエール」「同 プレミアムブラック」の通年3品を1月製造分から刷新。春夏向けと、秋冬向けの期間限定品も投入する。

新たな発信拠点の開発も検討。さらに新たな飲食店プロモーションやオンラインフェスなどとともに、恵比寿に再び醸造設備を作ることも議論する。

缶の伸長が続く「黒ラベル」では、家飲み、外飲みともに体験価値をプレミアム化し、体験イベントなどに注力する。

リーズナブル価値の提案では、新ジャンルで「ゴールドスター」「麦とホップ」を春前に刷新。「おいしさツートップ戦略」を進める。RTD/RTSでは缶商品「濃いめのレモンサワー」を、業務用として「濃いめのレモンサワーの素ペット1.8ℓ」を3月2日に発売。また「男梅サワー」「超男梅サワー」は昨年11月製造分から刷新している。さらに1月26日には「男梅サワー梅つぶし」を発売するなどして家・業連動を図っていく。

ノンアルでは、尿酸値低減効果を謳う機能性表示食品「うまみ搾り」といった商品などを通じて生活課題を踏まえた市場開拓を進める考えだ。

2020年-2021年 サッポロビール実績と計画