砂糖 コロナで需要の10%消失 消費減続き“歪み”も拡大 視線はアフターコロナのその先へ

砂糖消費(主に白糖)は昨年、砂糖年度で見ると約6%減(11万t)となり、コロナ影響を受けた期間トータルで見ると10%以上の減少となった。「ここ3年で9万tの砂糖消費が落ちた」と昨年の今頃は危機感を強めていたが、その後のコロナによって、たった1年で11万t以上も減少してしまった。今年は感染終息後の消費回復に期待するが、そもそもの縮小路線に戻るだけという意見も多い。昨年3月には将来を見越して製糖統合を発表。すでに各社の視線はアフターコロナのその先に向けられている。

令和元年度(2019年10月~2020年9月)の砂糖消費量(農水省)は対前年度比で6%減の172万1千tとなった。年度内でコロナ影響を受けたのは4―9月なので、残りの期間を換算すると年率10%以上の下落に相当する。砂糖市場は年率2%で縮小していたので5年分だ。

砂糖の市場構成比は約13%が家庭用、残り約87%が業務用。昨年3月以降の外出自粛、インバウンド激減、巣ごもり需要拡大の影響は各所に出た。家庭用の一部はものすごく売れ、小容量やお菓子作り向けの特殊なタイプは出荷制限がかかりそうな勢いだった。ただ、基礎調味料として幅広く利用されている業務用分野は激減。特に4月、5月の業務用販売量は15~20%減(精糖工業会)で、その後は3~8%減を年末まで繰り返すという1年だった。今年度の消費見通し(農水省)は前年度2・4%増の176万tとなっているが、おそらく東京オリンピックの開催を見込んだ数字だろう。

消費量の漸減は工場稼働率低下などさまざまな不都合も拡大する。すでに昨年3月に最大手の三井製糖と大日本明治製糖が経営統合を発表(DM三井製糖HD)、さらに日本甜菜製糖も提携をする。もはや単独での生き残りは難しく、今年もパートナー探しが続くだろう。

もう一つ大きな問題は糖価調整制度の歪み拡大だ。国産糖の保護財源は輸入糖に調整金として課せられている。それが消費量の減少で輸入糖が減ると調整金の負担が拡大。また、調整金の負担額も砂糖が圧倒的に多く(年間500億円を売価に転嫁)、他の甘味料に対して砂糖一人負けの原因として大きな不満となっている。

感染終息を期待しながら、その先に待つ大きな課題を見据えた令和3年がスタートした。