パスタ 過去最高30万t超え 宣言後最初の週末は静かに… 連載・アンダーコロナキッチン第2章「需要激変」〈15〉

1都3県に加え、大阪、京都、兵庫など7府県で緊急事態宣言が発令された。前回の宣言中は、多くの加工食品が店頭から消えたが、パスタやパスタソースもそのうちの一つ。日持ちするパスタは、コロナ禍で家庭用の消費が激増した。夏場に入り市場は落ち着きを取り戻したが、現在も前年比3~5%増で推移している。そして2度目の宣言発令。1都3県では発令後に迎える最初の週末に警戒感が高まっていたが、前回のような店頭での混乱は見られなかった。

今回、買い急ぎによる混乱を回避できたのは、前回の経験が生きたからにほかならない。消費者にとって、昨年2月時点の新型コロナウイルス感染症は「未知の感染症」だったが、現在は「既知の感染症」になった。持病や年齢などにより重症化の恐れはあるが、国民はすでに新型コロナウイルスと共生を始めている。そのため冷静な判断をした人が多かった。

一方、メーカーと流通も前回の経験を生かした。小売と卸は昨年暮れから在庫の量を増やし、万全を期して第3波に臨んだ。また一部のスーパーが店頭の混雑緩和を図るために首都圏店舗での特売チラシの自粛期間を延長し、引き続き少人数での来店を呼びかけるなど配慮を求めたことも奏功した。

主要パスタメーカーも起こりうる事態を想定し対策を準備。担当者は「今後も店頭特需がないとは言い切れないが、万が一のための対策は十分」「出荷量は増えているものの、3連休の需要もあった。需要集中の際はこれまでの経験をもって対処する」と話す。第2波、第3波の到来は予見されており、メーカーではこの間、売れ筋商品の備蓄や、生産アイテムを柔軟に振り替えられるような仕組みづくりに努めてきた。

国内パスタ市場は国内生産品、輸入品ともかつてないペースで伸びている。昨年11月までですでに業界悲願の国内供給量30万tを達成した。特に輸入品の増加は顕著で、過去最高となる約16万7千tを記録。年間17万t超えは確実で、18万tも視野に入っている。内訳はイタリアがここまで約8万tで前年同期比17%増、トルコが5万7千100t、米国が2万1千tでいずれも26%増まで拡大した。

家庭用が市場をけん引する一方、業務用は苦戦が続く。日本パスタ協会の統計によると昨年11月までの業務用パスタ生産量は5万8千400tで、前年比約5%減に。月次でも4月以降は前年割れが続く。9月以降はGo Toキャンペーンもあり一筋の光が差し込んだかに見えたが、2度目の宣言により飲食店に時短営業が要請されたことで、再び厳しい局面を迎えることになった。