中国・四国小売市場 縮小マーケットで出店再燃 背景にコロナ特需も

コロナ禍で霞んだ感もあるが、中国・四国地方において人口減少・高齢化という社会問題は継続している。全国に先駆け縮小を続けるマーケットにおいて、小売業の出店意欲が再び強まりつつある。

20年1月の人口推計(総務省統計局)によると、中国地方の人口減少率は0.61%、四国地方は0.92%で全国の0.24%を大幅に上回っている。県別では高知県と徳島県が1%を超えており、岡山県を除く中四国8県で前年を上回った。人数にすると中四国で約8万人が減り、これは全国の減少分の約4分の1に当たる。

高齢化の進行も加速している。65歳以上の老年人口の比率は全国の27.9%に対し、中国30.7%、四国32.4%といずれも3割を超えている。前年よりも0.3~0.4ポイント高まった。

こうした環境にもかかわらず、小売業はこのエリアの出店に意欲的だ。昨年(1-11月)、中四国各県と政令市に申請された大店立地法新設届の数は54件。前年同期より22件増えた。申請のなかった島根県を除く8県で前年の申請数を上回った。このうちドラッグストア(DgS)が24件と4割強を占め、複合施設への出店を含めると半分近くになる。

前年(19年)の新設届はその前年から半減し、市場の縮小に合わせ小売業も出店を抑制する傾向にあった。しかし、昨年はコロナ特需によって業績を伸ばしたスーパーやドラッグストアが多く、その利益を新規出店や改装に向ける場面が増えたものと推測される。

コロナの収束が見えない中、消費者の節約志向は根強い。縮小市場での小売間競争の激化とともにデフレ進行への懸念も強まる。「デフレに陥らないような価値提案が、より重要になる」(メーカー)のは確かだ。