ハム・ソーセージ ギフト通年化を後押し ネットや非接触型 連載・アンダーコロナキッチン第2章「需要激変」〈14〉

内食化が進んだことで、昨年前半はハム・ソーセージ業界においても、家庭用のほぼすべてのカテゴリーが前年を上回り推移した。とりわけ伸び率が高かったのがベーコンと焼豚である。

食品業界全体で家庭用商品の需要が伸びた4~6月の市場データでは、ロースハムやウインナーが前年比110%強で推移したのに対し、ベーコンは120%強、焼豚は130%強と大きく伸長。

休校やテレワークの浸透で昼食の内食化が進んだことが背景にある。ベーコンや焼豚は、売場でいち早く品薄となったパスタのほか、炒飯やラーメンといった昼の定番メニューに使われる機会が多い。さらに焼豚の場合は、家飲みが定着したことでおつまみ需要もとらえた。メーカーの調べでは、夕食での出現率が前年比10ポイントほど高まった。

7月以降は落ち着きを見せたものの、拡大した需要を定着させようと、メーカー各社はベーコンの新商品に注力。看板ブランドのラインアップ拡充、カット済みやハーフサイズ投入による利便性の向上などを図った。

ハム・ソーセージに限ったことではないが、家庭内調理が増え大容量タイプの商品も顕著に伸びた。昨年5月の市場データでは、ウインナーの売れ筋である100gや200gが1~2割増加したのに対し、600g以上の大袋は約1・5倍とさらに大きく拡大した。調理機会が増え、焼きそばや炒飯などの主食メニューに使われた。また、買い物へ行く頻度が減ったことで、まとめ買いする場面が増えたのも一因と言える。

今後、より大きな変化が予感されるのがギフト市場である。昨年の中元商戦は予想外に健闘した。ハム業界も当初は2~3割減との見方が強かったが、実際には90%以上を維持したメーカーが少なくなかった。これはネット販売や家庭内消費の取り込みが奏功したためだ。

メーカーもこうした新たな流れをとらえるべく、歳暮商戦ではさまざまな新提案を推し進めた。ネット販売への対応としては、ネットでの購入率が高い惣菜系商品を強化。包装を簡素化して低価格で提供できるようにしたり、ECで映えるようパッケージも工夫を凝らした。

また、家庭で外食気分が味わえる有名店とのコラボ商品、コロナ禍で強まる健康志向を意識した低塩や無塩せき商品なども増やした。さらに「非接触」がキーワードになっているのを受け、ポストに入るサイズで、なおかつ常温で流通可能な投函型ギフトも広がりを見せている。

ギフト市場においては、中元・歳暮が今後もボリュームゾーンであり続けるのは難しいというのが一般的な見方だ。各社がこうした新たな展開を進める背景には、母の日や父の日、誕生日といったカジュアルギフト、あるいは企業のノベルティなど通年のギフト需要を掘り起こしたいという思惑がある。コロナによる需要の変化がそれを後押ししたのは間違いない。