むぎ茶飲料とほうじ茶飲料 似て非なる飲用シーンを開拓

むぎ茶飲料(麦茶)とほうじ茶飲料(ほうじ茶)が似て非なる飲用シーンを開拓している。

両市場について「同じ止渇系だが、麦茶は“ガブガブ”飲まれるのに対し、ほうじ茶は“ゴクゴク”飲まれる。麦茶は究極だと2ℓも一気飲みされるほどで、麦茶と共通するカテゴリーはスポーツドリンクや水となる」との見方を示すのは「綾鷹」ブランドを担当する日本コカ・コーラの助川公太ティーカテゴリー緑茶グループグループマネージャー。

「綾鷹 ほうじ茶」は昨年2月、若干スッキリさせた味わいへと中味を刷新した。

ほうじ茶飲料は“ほっこり”と香りを楽しむ嗜好ニーズが強いように思われるが、助川マネージャーはゴクゴク飲まれる止渇ニーズに着目する。

「麦茶やブレンド茶と同じように、香ばしいのだけど後味がスッキリしているということで若年層を中心にコールドでゴクゴク飲まれる傾向にあることが、さまざまな調査で分かってきた」と説明する。

コモデティ化・低価格化を避けようと、中味とブランドを前面に押し出してアピールするのはキリンビバレッジの「生茶ほうじ煎茶」。同商品は、まる搾り生茶葉抽出物を使用し茶葉の焙煎を工夫して開発されたほうじ茶で、パッケージに「生茶」のブランド名を正面に大きくあしらい「しっかり濃いのに、すっきり軽やかな」味わいをアピール。昨年9月15日の発売から3週間で2千万本の販売数量を突破した。

「生茶」ブランドを担当する松井のり子マーケティング部部長代理ブランドマネージャーは、麦茶市場について「ほうじ茶飲料の3倍強の市場規模を持つが、いつでも誰でも飲めるという利便性が選択理由になっており、コロナ禍でティーバッグなどの“手いれ”に流出している動きもあり、カテゴリーに対する期待値は低い」とみている。

ほうじ茶市場の中で、ポッカサッポロフード&ビバレッジの「加賀棒ほうじ茶」は、地域と連動して日本各地の希少素材にこだわった国産産地指定飲料「TOCHIとCRAFT」シリーズとして展開している。

同商品は、金沢発祥の伝統的な焙煎方法で棒ほうじ茶(茎茶)の香ばしさとコクを引き出した上品な味わいが支持され拡大傾向にある。昨年3月にこの支持されている香りを強調するパッケージに刷新して発売したところ、旗艦アイテムの500㎖PETが好調に推移している模様だ。

伊藤園の電子レンジ対応ボトル
伊藤園の電子レンジ対応ボトル

麦茶とほうじ茶の両方で定番商品を展開する伊藤園は目下、ホット飲用訴求を強化している。「お~いお茶 ほうじ茶」を含む「お~いお茶」ブランドは、緑茶飲料市場では33%のトップシェアを維持し、ホット無糖茶飲料市場では54%の圧倒的なシェア№1となっている。

伊藤園の本庄大介社長は「最高気温が10℃を下回ると、とたんにホットの緑茶飲料の数量が伸び始める傾向にあり、今シーズンは電子レンジ対応ボトルと合わせて力を入れていく」と意欲をのぞかせる。

一方、「健康ミネラルむぎ茶」については「ミネラル補給を訴求して通年商品にしていくこととホット商品にも注力していく。ミネラル補給では、プロ・アマを問わずアスリートに向けて提案していく」という。麦茶はノンカフェイン設計も強みとなる。

伊藤園のホット対応「健康ミネラルむぎ茶」の発売に続き、サントリー食品インターナショナルも昨年9月29日に「GREEN DA・KA・RAやさしい温麦茶」を新発売して麦茶ホット市場に参入。同商品は「カフェインが入っていない商品で温まりたい」などの声を受けて開発され、強焙煎大麦を使用し、香り立ちを強化することで飲み始めの甘香ばしさがありながらも、カテキン、ルイボスを加えることでスッキリとした後味に仕立てた。