缶ビール 11月は前年超え推移 新ジャンルは上向き基調

10月の酒税改定後、減税となった狭義のビールでは家庭用缶が上昇に転じ、増税となった新ジャンル(第3のビール)は9月の駆け込み需要の反動を受けていたが、11月に入り反動はやや落ち着いたようだ。一方で業務用ビールは再び厳しい状況にある。

11月のビール類市場計は前年同月比89%、うちビールは86%、発泡酒は101%、新ジャンルは89%。改定直後の10月はビール類計が93%、ビール101~102%、発泡酒109%、新ジャンル78%ほどと推定されていた。

9月末に発生した新ジャンル駆け込み需要は「想定を上回った」(メーカー)とされ、箱単位での購入も多く数か月分を買い込んだ消費者もあったとみられ、その家庭内在庫が10月の新ジャンル販売を押し下げた。一方で、10月のビールは特に缶商品が好調だった。

11月もビールの缶は支持が続き、アサヒ「スーパードライ(SD)」缶は99%とほぼ前年並み、キリン「一番搾り」は10月発売の「同 糖質ゼロ」が上乗せされ、ブランド缶計で139%。サントリー「ザ・プレミアム・モルツ」ブランド缶計112%、中でも「同〈香るエール〉」は126%。サッポロ「黒ラベル」「ヱビス(単体)」缶も前年を大きく上回ったという。

一方で、やや数字を戻しつつあった業務用ビールは、新型コロナウイルス感染拡大第3波の影響もあり厳しい状況。酒類を主にする飲食店は特に厳しく、大人数の忘年会が減少する中で高単価商品などの展開を模索する動きも見られるという。

新ジャンルは家庭内在庫が11月上旬から中旬までにいったん消化されたとみられ、11月後半からやや戻り基調だ。

酒税改定では、RTDの増減税がなかったことから、節約志向が高まる中で新ジャンルからRTDへの流出が起きるとの懸念もあったが、実際には「大きな流れは起きていない」(同)という。新ジャンルからビールへ流れる消費者は多少いるものの、「RTDとビール類では味が異なり、簡単にカテゴリーシフトはしないのでは」ともいわれる。

発泡酒市場は前年超え。低価格志向の影響もあるが、健康意識の高まりから機能系の発泡酒が堅調。キリン「淡麗グリーンラベル」103%、アサヒ「スタイルフリー」101%だった。

11月のアサヒビールのビール類は86%(売上金額)。「SD」84%(数量)、「SD」樽容器は4月を底に回復していたが、第3波の影響で約70%。新ジャンル「クリアアサヒ」は97%となり、駆け込み需要の反動から回復基調だ。

キリンビールのビール類は96%、うちビールは94%、発泡酒102%、新ジャンル94%。「一番搾り 糖質ゼロ」が好調で12月17日で上方修正目標の160万箱を突破。注目の新ジャンル「本麒麟」は106%。

サントリービールのビール類は82%。うちビールは79%、新ジャンル83%。ノンアルビールは107%。機能性表示食品「からだを想うオールフリー」は135%と好調。「オールフリー」ではのどごしと後味を改良する刷新を行い順次展開中。「からだを想う」では、新CMなど新年プロモーションを行う。また、同じ「内臓脂肪を減らす」機能性表示食品である雪印メグミルクの「恵megumiガセリ菌SP株ヨーグルト」と共同プロモーションを実施する。

サッポロビールのビール類は88%。うちビール90%、発泡酒84%、新ジャンル86%。ビールの缶商品は好調で全体を牽引した。新ジャンルは駆け込み需要の反動で前年を割ったが、11月まで累計は120%。2月発売の「ゴールドスター」は12月10日に上方修正した年間目標460万箱を達成、順次中味を刷新中だ。また、「麦とホップ」本体は2月9日から、「同〈赤〉」「同〈黒〉」は12月製造分から刷新する。