想像力を発揮すべき時

日米開戦前、若きエリートで組織された模擬内閣は、知性とデータに基づき「日本必敗」という結論を出すが、時の権力者は客観的な分析を無視して日米開戦に突き進み、結論通りの結果に終わる。「昭和16年夏の敗戦」(猪瀬直樹著)は「無謀な戦争に突入したプロセスを克明に描き、日本的組織の構造的欠陥を衝く」という内容。

▼感染拡大に歯止めが掛からず、新規感染者数は連日、過去最高を更新し続ける。医療関係者から警告が出し続けられていたはずが、一連の対応を見ていて感じたのは想像力の欠如。

▼「欧米でワクチン接種開始」「英国で新型コロナ変異種を確認」。事態は想像を上回るスピードで変化していく。対応が遅れる分、収束時期も遅れ、経済的損失は大きくなる。

▼今年は有事下のクリスマスとなった。迷走した「Go To」事業等々で正常性バイアスがかかったためか、巷の危機感は薄れたままだが、この瞬間もコロナと戦っている患者や対応に当たる医療従事者、コロナ禍の苦境にあえぐ人たちがいる。その人たちのために何をすべきか。想像力を発揮すべき時。