拡大するサブスク市場

昔の家計簿が出てきた。生活もカネの流れもシンプルな時代で、ノート1冊あれば事足りた。20数年経ち、今はアプリを利用している。電子決済やポイント還元まで一元管理しないと、複雑化した支出入を把握しきれなくなった。

▼昔と家計を比べると、通販利用の変化に気づく。自宅にいながら商品購入やサービスを受けることが日常になり、自身もサブスクリプションの利用が増えた。定額サービスは動画や音楽配信など娯楽のイメージが強いが、最近は衣食住に広がり、日常に深く根付いてきている。

▼2019年度のサブスク市場は非食品を含め、約6千800億円に上った。食品業界でも有機野菜を主とした「オイシックス」、おやつ定期便の「スナック・ミー」、キリンの「ホームタップ」が人気だ。最近はコロナ禍で経営の厳しい飲食店が、収益の安定を得られる料理や食材提供に乗り出すなど新規参入が増え、さらなる市場成長が見込まれている。

▼好景気に沸くサブスクだが、商品やサービスをただ提供するだけでは消費者との関係は長く続かない。家で過ごす時間を豊かにするものや新規性を採り入れ、飽きられない工夫も必要だ。