GoTo停止 帰省自粛を懸念する地方 時短要請で都市部も打撃

「Go Toトラベル」の全国一斉停止が決まり、飲食店への営業自粛要請の動きも各地で広がっている。消費者が外出を控えれば再び巣ごもり需要が活発になるという見方もあるが、地方においては帰省者の減少も予想され、不安と期待の入り混じった年末商戦を迎えることになる。

時短要請で都市部も打撃

近畿北部を地盤とするスーパー、さとうの佐藤総二郎社長は「今年の年末商戦は見通しが立たない」と話す。同社が展開するエリアでは例年の年末であれば、帰省客によって人口が2倍になる地域もある。今年の盆も帰省を自粛する動きは見られたが、年末年始の移動人数はその比ではなく帰省者が減ればそれだけダメージも大きい。一方で「家庭内消費は底堅い。外食を控える分、家でごちそうをという思いはより強まるのでは」(佐藤社長)との期待もある。

旭食品四国支社の槇山勝則支社長は「12月の売上げは20日以降の数字に左右される」と説明する。今月は前年より営業日が1日多いこともあって、前半は5~6ポイント上回り推移した。しかし四国への帰省者の動き次第で売上構成比の高い後半の数字が例年に比べ大きく変動する可能性がある。

帰省者が減れば、逆に都市部の消費は活発化するのだろうか。京都の菓子卸、相互の藤原弘社長は「京都市内は帰省せず残る人もいるだろうが、それよりも旅行客が減る懸念が大きいのでは」と指摘する。特に京阪神はインバウンド需要が消失し、頼みの綱であった国内観光客も「Go To」停止で年末年始は見込めない。

さらに飲食店の営業自粛で、書き入れ時である師走への期待もそがれた。大阪府は飲食店の時短営業要請の対象区域を大阪市全域へと拡大。広島県は広島市中心部の飲食店に対し、酒類の提供を午後7時までにするよう要請した。

料飲店を主要得意先に持つ大阪の酒類卸は「酒税改正を機に業務筋にビールを積極的に売り込みたかったが、コロナで思うようにいかなかった。年末に期待したが、それもできない」と途方に暮れる。家庭用で堅調を維持しているのは缶チューハイなどの低価格商品ばかりで、「全体的には料飲店向けの構成比が高いビールが足を引っ張っている」のが現実だ。また、広島市の飲食店は「7時では営業するなというのと同じ」と憤る。

ここにきての感染拡大と行政からの矢継ぎ早の要請で、年末年始の商売に対する不透明感と不安感はあらゆる業態で増している。