ヨーグルト コロナ禍で転換 進撃する3千億市場 キーワードは“免疫”“健康”

市場規模3千億円超、牛乳・乳製品で一大カテゴリーを形成するヨーグルト市場が好調を持続している。牛乳乳製品統計の2020年4~10月累計生産量の対前年比は104%と久々に伸長した。ヨーグルトは市場成長率、生産量ともここ数年、前年割れが続いてきたが、新型コロナウイルス感染症の拡大で注目が高まった「免疫」「健康」をキーワードとする機能性ヨーグルトの牽引でプラス基調に転じた形。「免疫」をキーワードとする機能性ヨーグルトは例年、インフルエンザ流行期に伸長するが、今シーズンは新型コロナ対策もあるため、例年にも増して需要増が見込まれそうだ。

2020年7~9月の家計調査(総務省)によればヨーグルトの購入頻度は前同比104%、支出金額107.5%、購入世帯数100.7%。4~6月の購入頻度106%、支出金額110%、購入世帯数101.1%からは若干減速したものの、依然として伸長していることが分かる。購入世帯数の伸びが低いのは、すでに購入世帯数の割合が80%超に達し、一定程度定着したためと見られる。下期以降、いかにして購入頻度、支出金額を伸ばしていくかが、今後の課題となる。

大手メーカーの上期(4~9月)ヨーグルト業績は明暗が分かれた。最大手の明治は、「明治プロビオヨーグルトR―1」を中心とするプロバイオティクスヨーグルトが前年比14.1%増と急増したことに加え、分母の大きい「明治ブルガリア」ブランドも4.1%増となるなど好調に推移したことで大幅増収。森永乳業は「トリプルヨーグルト」などの健康系やプレーンを中心に9.6%増とこちらも大幅な伸び。

一方、雪印メグミルクは3.2%減(296億円)。「ヨーグルト市場が大きく伸長したのはファミリータイプや免疫系の商品。一方、当社の内臓脂肪の低減を訴求した『ガセリ菌SP株ヨーグルト』は伸び悩んだ」(同社)というように、前期伸長した反動に加え、「免疫」系に注目が高まった影響を受けたが、下期は店頭活動や、TVCMなどを通じ在宅(勤務)下での体調管理の重要性を訴求することで巻き返しを図る考え。

江崎グリコも上期(1~6月)は2.3%減(104億円)。主力の「BifiXヨーグルト」はプラスだったが、個食の「朝食りんごヨーグルト」などの落ち込みが足を引っ張った形だ。

上期はメーカーによる明暗もあったヨーグルト市場だが、コロナ禍のなか、ヨーグルトへの追い風は続く。1年前は誰も想像すらしなかった新型コロナという想定外の事態により成長路線回帰への足掛かりをつかんだヨーグルト市場。この流れを確実なものとするには、生乳を原料とするヨーグルトならではのさまざまな可能性を訴求した新商品、アカデミックマーケティングを通じた話題喚起などが求められる。下期は「免疫」「健康」に加え、「たんぱく質」に着目した水切り(ギリシャ)ヨーグルトの再訴求を含め、多様な価値を提供することで、さらなる間口と奥行の拡大を狙う。