PETボトルの水平リサイクル推進 脱炭素社会への取り組み強化に意欲 全国清涼飲料連合会・米女会長

全国清涼飲料連合会(全清飲)の米女太一会長は11月25日、幕張メッセで開催された飲料・液状食品の展示会「ドリンクジャパン」で基調講演を行い、脱炭素社会への取り組み強化に意欲をのぞかせた。

「菅総理大臣が2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする脱炭素社会を目指す考えを表明された。飲料業界も一体となって取り組んでいく必要がある」と述べ、リサイクルのトップを走る業界として、ボトルtoボトルの水平リサイクルをさらに推し進めていく考えを明らかにした。

水平リサイクルは、使用済みのプラスチック製品を再び同じ用途で使用可能なプラスチックに戻していくリサイクル手法で、ペットボトル(PET)の場合、使用済みPETを繊維やトレイにして一度だけ再利用するカスケードリサイクルに比べ、よりサステナブルな取り組みとなる。

8月には全清飲が旗振り役となり、東京都と飲料業界でコンソーシアム(共同事業体)を設立してプラスチック循環利用の促進を宣言。農水省の協力を得て、学校・事業系ビル・駅中・公園などにリサイクルステーションを設置してPETの水平リサイクルに取り組んでいる。

併せて、水平リサイクルに欠かせないリサイクルボックスの正しい理解も呼びかけた。

リサイクルボックスはゴミ箱扱いされやすく、現状では回収物の31%がタバコや酒類容器など飲料空容器以外の異物で占められている。

「綺麗な状態で空容器が回収されれば、リサイクル工程の負荷が軽減され、再生PETの品質も上がっていく」と訴えた。

また、PETリサイクルによる環境負荷低減効果については、リサイクル率84.6%を記録した18年の試算で、リサイクルによってCO2排出量が40%削減されたことを紹介した。

「リサイクルしなかった場合のCO2排出量は366万8千t。リサイクルした場合では、使用済みPETの回収とリサイクルに伴い発生するCO2を足し合わせても219万1千tに留まり40%削減できている」と説明した。

飲料市場の容器別生産量シェアはPETが断トツで、15年に構成比70%を突破し、19年に75.2%へと拡大している。

飲料業界は19年に、PETのリサイクル率は85.8%、リサイクルに熱回収を加えたPETの有効利用率は98%を記録しリサイクルのトップランナーであることから「プラスチック問題ではいかに日本がリーダーシップをとって日本全体の課題を解決し、海外に対して良いお手本を示せるかが課題になってくると思う」との考えの下、一つ上のレベルのリサイクルに取り組んでいく。