調味料の豊島屋 「かけて酢まいる」好評 看板商品のソース“世界一辛いかも”

岡山県倉敷市の調味料メーカー、豊島屋(てしまや)の商品は年間売上高によって、「ややヒット」「ヒット」「大ヒット」に分けられる。

大ヒット商品の一つが20年前、お好み焼店から「とことん辛いソースはないか」との声を受け開発した「超・激辛ソース」だ。既存のお好みソースに使う100倍の唐辛子を使用した。キャッチコピーは「世界一辛いソースかも」。

もともとは業務用向けに作ったソースだったが、家庭用も商品化し、山陽自動車道の福山SAに並べたところ、立ち寄った関西方面の利用客の評判を呼ぶ。「大阪は自分でブレンドして好みのソースを作る人が多い」と大野豊社長。関西地区のスーパーに売っていなかったこともあり、ネットでの注文が3倍に増加。1.8ℓの業務用サイズをまとめ買いする顧客もいる。

同社の創業は享保年間。明治時代に醤油、大正時代に食酢、そして昭和8年に主力ブランドとなる「タテソース」の製造を始めた。今では全国区となった大手メーカーが、ソースの作り方を聞きにきたこともあったという。

家庭用商品は50種類を揃えるが、業務用はそれを上回る80種類を持つ。町の小さな惣菜店だけでも、20種もの調味料を提供する。「これだけ種類があればパートさんでも簡単に作れる」(大野社長)。小ロット対応は大きな強みだ。

大野豊社長(豊島屋)
大野豊社長(豊島屋)

ただ、今年は世間と同様、新型コロナで業務筋の得意先は苦戦を強いられている。その一方で家庭用は堅調。コロナ前から地元のスーパーがローカルコーナーを設け、地産地消を強化する動きが強まっていたのに加え、内食化により家庭でお好み焼を作る機会も増えている。

こうした中で今年7月、新商品の「かけて酢まいる」を発売した。「調味料は出尽くした感もあるが、隙間もある」(同)と世の中で売れている調味料を研究。試行錯誤を繰り返し、りんご・ゆず・だいだいを使ったフルーティな調味酢を開発した。完成後は100人以上に配り、意見を求めた。「チューハイに入れると飲みやすくなって杯が進んだ」「ごま油やラー油を加え中華風に。わが家のメーンの調味料になった」「余ったご飯に混ぜ酢飯を作ると、すっぱいのが苦手な子どもがおいしく食べた」。

手応えを得て商品化。ここまでは「ややヒット」路線を歩むが、「大ヒット」の可能性を秘める。「酢の購買層は年配者が多いが、この商品は小さい子を持つ若いお母さんにも受け入れられている。まずは地元から輪を広げていきたい」と期待している。