酒税改定でビールが上昇 缶容器は2割以上の増加

10月のビール類市場は、酒税改定の影響もあり狭義のビールが伸び、新ジャンル(第3のビール)は減少と予想通りの結果となった。

酒税改定は今年10月1日から26年までに3段階で実施され、ビール・発泡酒・新ジャンルは26年10月に350㎖当たり54.25円に一本化。今回はビールが77円から70円に減税、新ジャンルが28円から37.8円に増税され、価格差が縮小した。

改定直後の10月は、ビール類計が前年同月比93%、ビール101~102%、発泡酒109%、新ジャンル78%ほどと推定される。

ビールは縮小傾向が続いてきた上、今年はコロナ禍で業務用が激減したこともあり厳しい様相だったが、減税による話題化もあり上昇し、久々に明るい話題となった。

特に家庭用が中心の缶容器は好調。アサヒ「スーパードライ」缶の販売数量は約120%、キリン「一番搾り」本体の缶は124%、「同 糖質ゼロ」発売で「一番搾り」ブランド計の缶は184%。

サントリー「ザ・プレミアム・モルツ」ブランド缶は119%、うち「同〈香る〉エール」缶は132%。サッポロ「黒ラベル」単体缶133%、「ヱビス」単体缶129%と、主要ブランドの缶は軒並み2割以上の増加だ。

これらの数字は一時的との見方も多いが、それでも第4四半期(10~12月)の缶ビールは1割増程度で推移するとみられている。ビール全体では、コロナ禍の影響で業務用が大きな打撃を受けていることもあり、第4四半期は微増との見方が多いが、「長く凹んできたビールにとっては大きなこと。転機になるかも」(メーカー)と期待の声もある。

一方で新ジャンルは増税や、先月に生じた駆け込み需要の反動で減少。アサヒ「クリアアサヒ」69%、キリン「のどごし〈生〉」69%、「本麒麟」92%、サントリー新ジャンル計は80%、サッポロ「麦とホップ」ブランド43%と厳しい結果だが、「10月は減税効果でビールに注目が集まったため」と語るメーカーもあり、「価格差は依然として大きく、味わいの作り分けが容易な新ジャンルは、そう簡単に負けないだろう」という。

増減税はなかったが、発泡酒は好調だった。健康系とされるキリン「淡麗グリーンラベル」110%、アサヒ「スタイルフリー」112%と二ケタ超え。コロナ禍で健康に注目が集まった結果だとの見方が大勢だ。発泡酒は緩やかな減少が続いてきたが、「健康系にチャンスがあるのでは」(市場関係者)ともいわれ、今後の動向に注目が集まるところだ。