食品メーカー、上期はコロナが直撃 業務用売上で明暗 利益確保へコスト圧縮進む

主要食品メーカー 2021年3月期/上場売上高上位20社 第2四半期業績

主要食品メーカー(2021年3月期/上場売上高上位20社)の第2四半期業績は、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の影響を受け、20社中15社が減収となる一方、コスト圧縮などにより15社が増益とした。新型コロナでは、巣ごもり消費などを受け家庭用製品の売上げが増加する一方、外食などの売上げ低迷を受け業務用は大幅減となったが、今第2四半期決算では、こうした各社各業界の収益構造の違いも明確になった形だ。

第2四半期決算で増収二ケタ増益となったのは日清食品ホールディングス、プリマハム、東洋水産の3社。日清食品ホールディングス、東洋水産は新型コロナにより主力の麺カテゴリー(内外即席麺、家庭用チルド麺、家庭用冷凍麺等)の増収が主因。在宅勤務の増加や小中高校休校等による昼食需要の高まりなどを受け、カテゴリーとしてはダウントレンドが続いていた即席袋麺、家庭用チルド麺の大幅な売上増が収益を押し上げる原動力となった。プリマハムは主力の家庭用を中心とする加工食品事業部門の増収二ケタ増益に加え、小売チャネル向け食肉が好調に推移した食肉事業の営業利益が前期比2倍超となったことが要因。

売上高は業務用不振の影響を受けたが、営業利益は6社が二ケタ増益となった。味の素の事業利益は、調味料・食品および冷凍食品における家庭用製品の増収効果、ロックダウン・外出自粛期間中のマーケティング等の活動抑制による費用減、動物栄養の大幅増益に加え、前期計上した減損損失の影響がなくなったことが要因。伊藤ハム・米久ホールディングスは加工食品で販売数量・粗利要因(17億5千万円の増益要因)、新型コロナ影響(9億5千万円)、食肉事業で粗利要因(16億円)などが寄与した。ニチレイは、経費抑制や業務効率化などにより低温物流事業が伸長した。

減収減益は5社。日清製粉グループ本社は米国製粉事業の業績回復、新型コロナの影響による家庭用食品の販売増、医薬品原薬の好調等による利益増があったものの、外出自粛等の影響が続く国内外製粉事業の販売収益悪化、中食・惣菜事業の販売低調等。日本水産は家庭用は堅調に推移したが、外食、観光需要減で減収となったことに加え、販売価格下落などによる水産部門の減益(66.4%減)が響いた。

営業利益率は、小売の販促自粛などを受け拡売費等が削減されたこともあり全20社が改善した。この結果、日清食品ホールディングス(13.2%)、ヤクルト本社(12.7%)、味の素(12.1%)の営業利益率が10%以上となっている。

通期業績については、下期の新型コロナの影響が見通せないことなどから慎重な予想。日清食品ホールディングス、プリマハム、東洋水産といった上期好調組も前回発表の通期予想数値を据え置いた。