ハム・ソーセージ 家庭用が牽引も外食低迷 業態比率で明暗 下期、価格競争の懸念も

ハム大手4社の第2四半期は内食化が進んだことで家庭用商品が軒並み伸長した一方、業務用の構成比やグループ企業の業態により利益面では明暗が分かれた。家庭用は主力のウインナーやベーコンのほか、サラダチキンやピザなどの調理食品、さらに食肉も含め各社とも量販店での売上げが伸長し好調だった。そのため、家庭用の構成比が高いメーカーほど利益貢献も見られた。一方、業務用は外食を中心に低迷。インバウンド需要をとらえていた和牛など高価格帯の食肉や、輸入の冷凍肉が落ち込んだ。国産肉は相場が堅調で、粗利の改善につながった。

日本ハムは減収増益。市販用のハム・ソー、デリカをはじめグループの乳製品や水産が伸長した一方、外食やCVS向けの食材、ベーカリー用のチーズなどが苦戦。市販用の主力ブランドや水産事業の高利益商材である鮭鱒が好調だったことで粗利益が改善した。

食肉事業は量販向けが伸びたものの外食が低迷。他方、国産肉の相場が堅調に推移し増益要因となった。

同じく減収増益だった伊藤ハム米久ホールディングス。ハム・ソーは前年並みだったが、ピザやサラダチキンなどの調理品が伸び増収。業務用が外食を中心に苦戦したものの、家庭用の主力ブランドが拡大したことで増益となった。

食肉も量販向けは好調だったが和牛の需要が低迷したほか、ニュージーランドの工場が新型コロナで一時稼働を止め海外の売上げが減少。採算重視の販売を強化し、利益率は改善した。

唯一、増収増益だったプリマハムは加工食品事業、食肉事業ともに増収増益。構成比の高いスーパー向けの主力商品が好調で、外食の落ち込みをカバーした。食肉においては国産豚の相場が高値で推移し、生産事業で安定的な利益を確保できた。

丸大食品は減収減益。加工食品事業はハム・ソーの主力商品、調理食品のカレー、スンドゥブ、サラダチキンなどが好調だったものの、業務用食材が低迷。グループのCVS向けベンダーは、都心の店舗が不振だった影響を受け苦戦した。売上げの減少や原料価格の上昇もあり営業損失を計上。グループ全体で外食向けの比率が3割を占めることが痛手となった。食肉事業は外食需要の低迷により輸入肉が低調で、販売単価も下落した。

通期は丸大食品を除く3社が第2四半期の業績を受け、利益予想を上方修正した。ただ、家庭用商品の推移を見ると、第1Q(4-6月)に比べ第2Q(7-9月)の伸長率は軒並み鈍化している。一方の外食は焼肉店などを中心に回復傾向にあるが、ここにきて再び感染者が増加しており先行きは不透明だ。(表下記事続く)

ハム大手4社 2020第2四半期 市況

プリマハムの千葉尚登社長は「節約ムードが強まり、好調なコンシューマー向け商品が価格競争に入る恐れもある」と懸念を示す。丸大食品の井上俊春社長も「長期的に見ると市場は厳しくなる。工場の自動化などを進め、コスト競争力を高めなければならない」と強調する。

一方、新型コロナが事業のあり方や営業の手法を見直すきっかけになっているのも確か。日本ハムは迎えた歳暮商戦において、百貨店でのリモート販促を始めた。畑佳秀社長は「リアルとバーチャルを組み合わせる中で、提案営業力を高めていくことが大事」と説明する。伊藤ハム米久ホールディングスの宮下功社長は「コロナで消費スタイルの変化が加速した。うまく対応できればチャンスになるし、できなければ長期的なリスクになる」と指摘する。