ハムギフト“非接触”型の新提案 通年展開へ布石

今年の夏、コロナ禍で迎えた中元商戦は予想に反して健闘した。ハム業界においても当初、2~3割は前年を下回るという見方が強かったが、結果的にメーカー各社はおおむね90%以上を維持したようだ。ネット販売の拡大や在宅の長期化による内食需要の掘り起こしなどコロナにより生まれた新たなニーズを取り込んだことが背景にある。

迎える歳暮商戦においてもこうした傾向は継続すると思われ、メーカー各社は商品開発や販売方法において、ウイズコロナを見据えた次なる戦略を打ち出している。

そのキーワードの一つが“非接触”だ。中元でネット販売が広がった背景には、外出を控え接触を避けたいという消費者心理があった。百貨店やスーパーも、これまで以上にネット経由の販売に力を入れている。

こうした動きにメーカーも対応。伊藤ハムは和・洋の惣菜ギフトにネット限定商品を投入した。「惣菜類はネットでの購入比率が高い」と同社。購入しやすいよう価格は3千円以下に抑え、箱に入れない簡易包装の商品を用意するなど自家需要の獲得も図る。

他方、ネット受注が伸びているとはいえ、特に百貨店では実際に店頭へ出向き、商品を見てから購入したいという顧客はまだ多い。店頭でのマネキン販売が自粛される中、日本ハムでは、この歳暮からリモート販促を始めた。売場に設置した画面を通し、社員が買い物客と会話をする仕組みだ。「非接触型のシステムを利用しながら、強みである販売力を発揮したい」と強調する。

商品配送においても、昨今は配達員と受取人の接触を避ける“置き配”が増えている。日本ハムはポストに入るパッケージの「グルメレター」の販売を始めた。グループの商品など20種類を揃える。伊藤ハムも前述のネット限定品と同様、ギフトで人気の和・洋食のブランドで「ポストインギフト」を展開する。

両社の商品とも常温流通で、価格は上限2千円強に設定。ハム業界は低温商品が主流だが、扱いやすい常温で、なおかつ低価格の商品をラインアップすることで、拡大傾向にあるカジュアルギフトの取り込みも視野に入れる。