不透明な消費環境

3月期上場大手卸の上期決算が出揃った。新型コロナウイルスの感染拡大で家庭用食品が好調だったが、前年の消費増税前の駆け込み需要の反動、外出自粛や外食店の休業等の影響もあり減収となった。一方で利益面は物流費の改善や出張等の減少による販管費削減で増益につなげた。

▼上期の進捗は順調だが、通期見通しは慎重姿勢だ。10万円の定額給付金で実収入は増加したものの個人消費に力強さはなく、全体の押し上げにはつながっていない。GOTOキャンペーンの拡大効果も期待されるが、冬本番を前に再び感染拡大のリスクも懸念される。

▼コロナ特需に沸いた小売の現場も7月以降は状況が変わり、「地方は厳しい」と顔を曇らせる。昨年秋のポイント還元の反動もじわじわと出始め、中小スーパーほど影響は大きい。

▼節約志向を反映して価格競争の再燃も懸念される。コロナ禍で物流費の上昇には一服感があるが、ドライバー不足など物流危機の状況に変わりはない。デジタル技術を活用した効率化や新たな生活様式に対応した提案強化とともに、物流与件の緩和などの積み重ねによる収益確保がカギを握る。