生姜漬 14年以来の原料高騰に 2年連続の高値で確保困難

生姜漬は寿司のガリや、焼きそばの紅生姜など日本人が大好きなメニューには欠かせない。この生姜漬の業界が正念場を迎えている。20年産の輸入原料がすべての産地で減産となり、2014年以来の高騰となった。

タイの北部と中部の生姜はガリ用、紅生姜用に塩漬けされ、日本を中心に輸出される。今年の植え付けは例年通り3月下旬に行われたが、種生姜は過去にないほど高値の年となり、生姜栽培を諦めた農家も多かった。作付面積は3割ほど減少したものの前年と比べて発芽率がよく、収穫量はほぼ前年並みになった。

8月になり、中国産生鮮生姜の買い付けが希望通りに進まなかった中東・南アジア系スパイスメーカーがタイへ買い付けに入った。そのため生鮮生姜が高騰し、農家の販売意欲は塩蔵生姜には向かず、現地の原料加工メーカーでは前年の7割ほどの漬け込みが精いっぱいで、結果としてタイ産原料の物量は14万ケースと過去最低になった。

中国の生姜は南部では加工用、山東省は生鮮用が中心で、日本国内加工向けにガリ用、紅生姜用に塩漬けされ、完成品も日本に輸出される。中国南部では今年、種生姜が高く、また新型コロナウイルス対策の外出禁止の影響もあり、作付面積は2割減少した。

山東省では今年の作付面積はほぼ前年並みとなり、天候に恵まれて豊作だったが、生鮮生姜の高値が続いたことで塩蔵生姜向けの収穫が難しくなり、特にガリ品質の生姜を確保するのが困難になった。

この結果、各産地の原料価格(ガリミックス45kg)は、山東省産が69ドル、中国南部産が89ドル、タイ産が100ドルとなった。すべての産地で価格が大幅に上昇し、14年以来の高騰となった。

14年の高騰時には13年産の生姜価格が安定していたため、14年分と13年分を相殺する形で供給が成り立ったが、今回は19、20年と連続で高値が続いたためメーカー側も生姜原料を集めるのが難しい。

今年は各産地で農家が安定した価格で販売できたため、来年の相場は本来であれば下がるはずだが、近年は異常気象や中東商社の買い付けもあり予断を許さない。