前向きに苦難乗り越える 冷凍惣菜の伸びしろに期待 かね貞・松原有隆社長

魚肉練りものメーカーのかね貞は9月21日付で、松原邦夫会長(前社長)から松原有隆社長に交代し、経営体制を刷新した。創業は1925年、松原会長が66年に法人化し「かね貞」を設立。愛知県みよし市の自社工場に加え、2011年には千葉県の関東工場を稼働している。

量販店ではおでん、ちくわ、蒲鉾などを全国で販売しているほか、直営ブランド「ねり伝」「ねり助」「カネサダ」をデパ地下などに約100店舗展開。PB商品の開発にも積極的に取り組んでいる。前社長在任28年での新体制移行となり、経営刷新を進める松原新社長に今後の展望などを聞いた。

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――新社長に就任されました。

松原 これまで台風による災害などさまざまな波乱があった。今残っている社員はそれを乗り越えてきたメンバーで、そんな社員たちが報われる会社にしたいという思いがあった。

今年は新型コロナウイルス感染症の影響で百貨店などで苦戦したが、ピンチはチャンス。シフトの組み方など店舗運営の効率化に取り組み、人件費などを削減することで乗り越えてきた。

――経営刷新について。

松原 28年務めてきた会長の路線、かね貞のDNAは継承していきたい。会長は柔軟で新鮮な考えを持っている。まず「やってみよう」という意気込みで、その中でロングライフ化、冷凍商品なども進めてきた。

――SNSやECなどにも取り組んでいますね。

松原 1年前くらいからインスタグラム「ネリカテッセン」をスタートした。「ネリカテッセン」は練り物と惣菜(デリカテッセン)を掛け合わせた造語。これをどう表現するのか模索してきた。

今年7月からEC展開も始め、好調にスタートしている。新入社員の1人を専任として起用し、外部とも連携しながら進めている。

――直近の状況は。

松原 市販品はこれからシーズンに入っていく。柱の日配品については、スーパーの好調に引っ張られて順調に進んでいる。

練り物は不況に強い傾向がある。今期は特に内食需要が高まっていて、出番が増えると考えている。需要に対応していくために、飽きさせない商品を提供していく必要がある。

日配では、おでん種やちくわなどを展開しているが、今後は「ネリカテッセン」を導入していきたい。

――現在のトレンドは。

松原 やはり健康軸。真逆のところにハイカロリーもあるが、まずは健康軸が一番だと思っている。魚は高たんぱく、低カロリー。練り物は、魚に加え、野菜や豆腐などが入っており、健康感のある食材だと思っている。

――松原社長自身の性格は。

松原 楽天家だと思う。基本的にポジティブで、できることを楽しくやりたい。笑顔でいたいと常に思っている。

――今後の方針について。

松原 首都圏や主要都市を中心に販売エリアを広げていきたい。日配については関東や大都市を押さえていかないといけない。

日配が屋台骨なので、これを伸ばすために全精力を傾けている。冷凍惣菜はまだまだ伸びしろは大きい。競合が大手メーカーだが、そういうところと戦っていかなければならない。