春雨・くずきり 内食、健康志向で市場再燃 自粛以降も好調続く

春雨・くずきり市場が好調だ。巣ごもりでサラダや鍋以外の用途が広がったほか、“コロナ太り”などで健康意識が高まり、カロリーの低さが再注目された。4~5月の市販用市場は前年比130%と大幅に伸び、6月以降は勢いがやや鈍化したものの、昨年を上回るペースが続く。関連メーカーでは増産に追われる一方、好機ととらえ利用層の拡大に乗り出している。

国産春雨の三大メーカーの一つ、奈良県の森井食品は、10月中旬までの春雨・くずきり販売量が約120%で推移している。外食店向けの一部業務用が苦戦したものの、市販用は130~140%の大幅増を継続している。

春雨・くずきり業界では昨今、設備の老朽化や後継者問題により同業の廃業が相次いだ。同社ではその分の注文が増えると予想し、あらかじめ在庫に余裕のある生産計画を立てていたが、急な特需で在庫はなくなり、現在フル生産で対応する。これから迎える鍋シーズンを前に、「なんとか持ちこたえるために、生産体制を検討している」と森井啓修社長は話す。

マロニーの4~9月上期業績は、業務用も含め前年比112%で折り返した。これまで“鍋のお供”のイメージが強く春夏季は厳しかったが、「内食が増え、いろんな料理で使われるようになった」(難波克章社長)という。急遽7月にはユーチューバーを使った販促を展開。マロニーを使った韓国料理のチャプチェを紹介したところ、売上げが瞬時に160%に跳ね上がった。11月からの最需要期には再び販促を強化して、勢いを継続したい考えだ。

春雨を使った商品では、エースコック「スープはるさめ」が、5月以降好調だ。テレワークやオフィス内ランチが増え、副食としての需要が伸びたほか、ヘルシーさを理由に選ぶ消費者が増えたと分析する。8月にはシリーズ6品のうち最もカロリーが高い「担担味」を見直し、99kcalにカロリーダウン。消費者の購買意欲を後押しして、さらなる需要拡大を目指す。