缶詰 コロナ禍で再活性化 家飲み、料理素材、備蓄…生活密着へ提案強める

コロナ禍で缶詰への注目度が高まっている。震災直後にも缶詰の価値が見直され、その後の消費拡大につながったが、春先からの巣ごもり需要や相次ぐ自然災害を機に、家庭内での缶詰需要が再び拡大傾向にある。

新型コロナウイルスの感染拡大で、3-4月は水産缶・素材缶・果実缶・畜肉缶の各カテゴリーで需要が急増し、一部では品薄傾向も続いた。その後、5月の連休明けから需要は落ち着き始めたが、在宅機会の増加とともに、おつまみ缶や素材缶に需要がシフトしてきた。水産缶では供給が追い付かず、小幅な伸びにとどまった品目もあるが、果実缶や素材缶、畜肉缶などが前年を上回り、上期トータルでは堅調に推移した。

一方、外食店の休業や休校で業務用が大打撃を受け、メーカー各社の生産・販売に影響を与えているが、下期も引き続き、内食化傾向が予想される中で、ブランドオーナー各社は提案活動を強化し、家庭用缶詰の定着拡大につなげていく構えだ。

水産各社は原料状況が回復傾向にあるイワシ缶に注力。サンマの不漁が続く中で、サバ缶、イワシ缶を柱に、健康志向で注目された青物缶詰の需要を広げていく方針。サバ缶は一時のブームが収まったが、その後も安定した需要を維持しており、イワシ缶とともに料理素材としての活用も促す。

ツナ缶最大手のはごろもフーズは、「シーチキン」「シャキッと!コーン」の主力ブランドで、メニュー提案を強化。「シーチキン」はオイル不使用やパウチタイプなどの新製品が好調に推移しており、秋冬に向けては「シーチキン食堂」の新CMで「満腹!シーチキンの具沢山みそ汁」を提案。シーチキンの使用シーン拡大による販売機会増加を目指す。

「シャキッと!コーン」についても、新CMやSNSキャンペーン、料理レシピ検索サイトとのタイアップなど販促企画を強化。昨年発売した紙容器入りタイプをはじめ、コーン缶の用途拡大につなげる。

そのほか、家飲み需要が注目されているおつまみ缶詰では、発売10周年を迎えた国分の「缶つま」、ホテイフーズの「やきとり缶」、プラ容器に切り替わった「コーンビーフ」など、メディアやSNSでの露出が拡大傾向。オンライン飲み会やアウトドアなど、新たなシーンも広がり、さらなる需要拡大が期待されている。