目指すは“スマホかざすだけで会計” 進化するイオンリテールの「レジゴー」

イオンリテールは、ニューノーマルにおける顧客体験価値向上を目指し「イオンスタイル有明ガーデン」で、ビデオレールなどを活用した新コミュニケーションの実証実験とともにレジ待ち時間の削減などオペレーション面での実証実験を行っている。レジ待ち時間と接触機会の削減を図るものとしては、レジに並ばない買い物スタイル「どこでもレジ レジゴー」を進化させる。「レジゴー」専用のセキュリティゲートを新たに設け、専用レジで会計後、貸し出しスマホに表示される二次元バーコードをセキュリティゲートにかざして買い物を完了させる仕組みを検証する。

6日、取材に応じた山本実執行役員システム企画本部長は「近日完成を予定しているアプリができれば、お客さまのスマホで買い物と決済ができる。現在はその前段階で精算機を置いて、そこで精算する仕組みだが、将来はスマホをゲートにかざすだけで精算が完了する」と説明する。

アプリサービス開始後も海外の事例などを参考に、貸し出しスマホのサービスも続けていく。ネットスーパーとの連動も実証する。「最後に『届けるボタン』でネットスーパーにのせるといったことや、ピックアップロッカーも実証していく」という。

「レジゴー」出口に設けられたセキュリティゲート(イオンスタイル有明ガーデン)
「レジゴー」出口に設けられたセキュリティゲート(イオンスタイル有明ガーデン)

「レジゴー」は昨年5月から展開し、今年3月に本格展開。現在は14店舗で展開し「非常に大きな成果が出ている」と胸を張る。

スマホの画面で購入商品が確認できることから買い忘れ防止にもつながり、レジゴー導入店では買上点数が約1.2倍に拡大。利用率は平均約2割で、中でも「有明ガーデン」では来店客の約3割が利用しており、売上げも導入店平均よりも高い伸びを見せているという。

7日、決算発表したイオンリテールの井出武美社長は「ある店舗のレジの労働時間は約3割削減され、生産性向上にも貢献している。全店舗の導入を計画し、よりお客さまに便利に楽しく買い物していただける機能も進化させていく」と意欲をのぞかせる。

カメラとAIを活用し年齢認証にも対応(どこでもレジ レジゴー)
カメラとAIを活用し年齢認証にも対応(どこでもレジ レジゴー)

そのほか、従業員の負担軽減の取り組みとしては、「有明ガーデン」でカメラとAI技術を活用した滞在人数把握と年齢認証対応の検証を行っている。

店内に設置したカメラが、3密防止の取り組みとして売場の滞在人数を計数し、混雑前にレジ応援や入店制限するほか、来店客の年齢をAIが推定し未成年者の場合はレジに設置された端末が「年齢確認してください」と表示する。これにより「チェッカーさんが目視で判断するストレスをなくす。マスクをしていても識別でき精度は90%前後となっている」(山本本部長)。

新コミュニケーションでは、バックエンド(商品棚)にデジタルサイネージとビデオレールを設置し、属性に合わせたプロモーションを展開。2、3か月後に実証実験の検証を行い、その際、指標の一つとなるのが滞在時間だという。「滞在時間が長くなるということは、お客さまも買い物を楽しまれていることになり、売上げにも直結する。『レジゴー』も客単価が通常よりも高くなり滞在時間が長くなることにつながっている」(山本本部長)と述べる。

未成年者と判断した場合は黄色の枠が示される(左上)。滞在人数も計測し表示(左下)。右は山本実執行役員(イオンリテール)
未成年者と判断した場合は黄色の枠が示される(左上)。滞在人数も計測し表示(左下)。右は山本実執行役員(イオンリテール)

カメラが売場の滞在人数を計測して3密防止に取り組みながら、より買物を楽しんでもらえる仕組み作りを推進していく考えだ。