菓子文化を守る地方卸

松江は、松江藩七代藩主松平治郷の影響により、江戸後期から茶の湯文化が盛んで、今も和菓子店が多い土地柄である。ただ、人口減少や店まで足を運べなくなった高齢者が増え、難しい状況となっている店も多い。

▼そこに目を向けたのが、山陰地区を古くからカバーしている地元の菓子卸。自社が納入する地元の食品スーパーで和生菓子を販売するビジネスモデルを構築し、売場を拡大していった。和菓子店は無論、県外資本の大手スーパーとの差別化ができるとスーパーも歓迎する。

▼菓子卸の世界は、年商2千~3千億円を超すビッグ4と称される4社の大手卸が全国展開している。集約化が進み、青息吐息の地方卸は少なくないが、効率優先で売れ筋中心の品揃えとなりがちなビッグ4のスキを突く動きもある。

▼山陰の菓子卸は、当初大変だった。個人営業の店が多く、システム化されていないためJANがなかったり、手書きの伝票だったりで軌道に乗るまで苦労も多かった。大手卸には参入障壁が高く地方卸にしかできない仕事だった。豊かな菓子文化が地方卸を守っている。