非常時の「稼ぐ力」で明暗 環境激変、対応急ぐ各社 コンビニ中間決算

コンビニ各社の2021年2月期第2四半期業績(単体)
コンビニ各社の2021年2月期第2四半期業績(単体)

コロナ後の消費環境激変が大きく影を落とした、上場コンビニ各社の中間決算。外出自粛、テレワークの広がりから都心部を中心に客数が落ち込む一方、生活者が近所のコンビニに日々の買い物の軸足を移す傾向には拍車がかかり、客単価は拡大。加盟店と本部との関係やビジネスモデルの在り方にも改めて注目が集まり、風雲急を告げる気配だ。

各社の単体営業利益をみると、約1割減にとどまったセブン‐イレブンに対し、ファミマ、ローソンは5割前後の減少。その他も赤字または大幅な減少を喫した。既存店売上高も1割前後の減少となった社が多いなかで、セブンは3%減にとどまっている。

スーパー代替としてのコンビニ利用が増えたことによる客単価の増加率は、いずれの社でも大差がない。一方で、セブンは生鮮や日配、冷食などコンビニでの購買が急増するカテゴリーを軸とした新レイアウト売場を近年拡大してきたことも背景に、客数の減少を最小限に抑えることに成功。昨夏のスマホ決済トラブルに伴う客離れの反動もあるものの、非常時にもセブンの“稼ぐ力”を証明した形だ。

セブン&アイHDの井阪隆一社長は「コロナ後の購買行動の変化が顕著となり、在宅勤務、巣ごもり、家飲みなどの需要が拡大。まとめ買いも増えて、客単価増につながっている」として、新たなニーズに対応した売場レイアウトを下期だけで全店の4割近い8千店に導入する方針を示した。

激変する消費環境に、各社とも対応を急ぐ。「乱暴に言えば、これまでは商品を並べれば売れていた部分がある。今回のコロナで最も変わったのは、加盟店もわれわれもそうだが、いま一度お客さまを向いて現場を作り直さないといけないということ。それを痛感させられた」(ファミリーマート澤田貴司社長)。伊藤忠商事の100%子会社となり非上場化する同社では、激変する環境にさらにスピーディーに対応していく構え。

今後はどうなるのか。下期は、コロナの感染再拡大も依然として懸念される状況だ。

「『ハンマー&ダンス』と言われる。感染拡大というハンマーによって外出自粛や移動制限が起こり、緩和されると活動が活発化する。ハンマーの時期に日常生活を支え、ダンス時期が来たときに活発化する需要をつかむ。収入不安が増す下期は、アッパーなだけでなくお得感がある商品もどんどん投入していく」(ローソン竹増貞信社長)。

先月には、ミニストップが来年9月からの新FC契約導入を発表。業界で従来主流だったロイヤリティモデルから、事業利益分配モデルに転換する。24時間営業などと並んで本部が安定収益確保の前提としてきた、いわゆる「コンビニ会計」にメスを入れるものだ。

決算会見でも各社の反応をうかがう質問が相次いだが、「チャージ見直しなどにより加盟店利益は増えている。現段階でFC契約の見直しは考えていない」(セブン&アイHD井阪氏)、「ミニストップの決定について背景や意図は分からず、私から言うことはない」(ファミマ澤田氏)、「足元ではそういったことは検討していない。店利益基軸経営を進めていく」(ローソン竹増氏)など、トップらは一様に直接の論評を避けた。