法則が通用しない世界

赤と白の玉が半分ずつ入った箱から、無作為に20個取り出す。1回だけなら、15個が赤い玉だったりすることもある。だが何度も続ければ、たまってゆく赤白の玉の割合は限りなく1対1に近づく。

▼そんな「大数の法則」が通用しない世界がある。そこでは、男女ほぼ半々の約1億人からさまざまな過程を経て選ばれた約20人の閣僚のうち、男性が常に15人以上を占める。最新の内閣では18人。おかしさを指摘すると「女性だからといって登用するのではなく、男女関係なく実力ある人間を選ぶべきだ」との正論がすぐ返ってくる。

▼だが世の半分しかいない男性が常に大半を占めること自体、実力以外の理由での選別が働いていることの証左だ。実力があっても閣僚になれない女性の存在のおかげで、実力がなくても閣僚になれる男性がいる。この国に暮らすすべての人間にとっての損失だ。

▼スローガン倒れに終わった「女性が輝く社会」。前政権のコピペのような新内閣は、前例踏襲、既得権益を打破すると息巻く。であれば、真っ先に手を付けるべき問題だ。「批判は当たらない」「全く問題はない」がお得意の令和おじさんには馬耳東風か。