タピオカも入れられる新・紙容器「NSATOM」完成 日本製紙・四国化工機

日本製紙は、四国化工機とともに固形物・長繊維・高粘度充填に対応しつつ常温保存できる次世代型アセプティック紙容器システム「NSATOM(えぬえすアトム)」を完成し、11月から飲料メーカーを中心に受注を開始する。日本製紙は、パッケージ、家庭紙・ヘルスケア、ケミカル、木材、エネルギーの5つのビジネスユニットを成長分野と位置付けており、今回の取り組みはその一環となる。

16日に発表した野沢徹社長は「少子化とIT化の流れで長期的には新聞用紙や印刷用紙といったグラフィック系の紙の需要が減退し、コロナ禍で一段と落ち込んでいる。5月に底を打ち徐々に回復しているが、元に回復するのは厳しい状況かと考えている」と語る。

パッケージ事業は、テイクアウト用の容器、段ボール、菓子や加工食品の外箱など全方位のカテゴリーで成長を目指していく考え。

「段ボール箱はなかなか展開できていなかったが、今年、オーストラリア製紙大手から段ボールを生産する事業を買収したことで包材関係はフルラインアップになった。総合パッケージメーカーを志向していきたい」と説明する。

パッケージの中で、ペットボトル代替の中核に位置づけるのが今回のNSATOM容器となる。同容器には、タピオカやナタデココなど6㎜角以下の固形物のほか、繊維の長さが8㎜以下のものや粘度の高い食品が充填でき、常温長期保存の新技術が導入されている。

容器形状は、固形物もスムーズに注がれるように試行錯誤し、容器天面の角度、口栓の位置、注ぎ時の傾き、残液量を人間工学的知見でさまざまに検証した上で開発された。

容器の構造は、紙・PE(ポリエチレン)・アルミ。250㎖の場合、プラスチック使用量は口栓を含め約6.5gで紙化率約60%となっている。

今後はエコ化をさらに推進していく。

日本製紙の野沢徹社長㊥と大林保仁常務㊨、四国化工機の植田滋社長CEO
日本製紙の野沢徹社長㊥と大林保仁常務㊨、四国化工機の植田滋社長CEO

大林保仁常務執行役員紙パック営業本部長は「回収は課題であり、現在、さまざまなやり方で回収率を上げていくことを考えている。アルミのないフォーメーションも考えており、テストケースでは完成している。おそらく来年になると思うが、そのようなニーズにも対応していきたい」と意欲をのぞかせる。

NSATOM充填機の特徴としては、キルレート6とチャンバー内全自動洗浄による高衛生性や、常温保存可能なアセプティック紙容器システムなどが挙げられる。

キルレート6とは、10の6乗(100万個)の初期菌数を1以下に減らす殺菌能力を持ったレベルとなり「隠れてしまう箇所も完全に殺菌できるように、長い時間をかけてチャンバーの水流やエアーを工夫し、容器もつくり込んでいった」という。

充填を担う四国化工機の植田滋社長CEOは「過去30年にわたり培ってきたアセプティック技術を、NSATOMに最適な形へと改めて開発した」と胸を張る。