家での良質な過ごし方にマッチ 「ちょっと贅沢な珈琲店」が支持される理由 原田知世さん伝える“淹れる楽しさ”で勢い加速 味の素AGF社

味の素AGF社の「ちょっと贅沢な珈琲店」ブランドが好調だ。牽引役は同ブランドの中で大勢を占めるレギュラーコーヒー商品で、直近の4-7月ではレギュラーコーヒー市場を大幅に上回る伸びをみせた。

同社調べによると、4-7月市場の伸びは金額ベースで、袋入り(粉)のレギュラーコーヒーが約10%増、一杯抽出型レギュラーコーヒー(ドリップコーヒー)が約20%増と推定される。

コロナ禍による在宅時間の増加が市場に追い風となる中、市場を上回る伸びをみせた理由について、木村直紀リテールビジネス部マーケティング第2グループ主任は「在宅時間が大幅に伸び、少しでも家で過ごす時間を良質なものにしようとする方が増えたことで、今までインスタントコーヒーを飲まれていた方がより本格的なコーヒーを求めるようになり『ちょっと贅沢な珈琲店』が支持されるようになった」との見方を示す。

木村直紀リテールビジネス部マーケティング第2グループ主任(味の素AGF)
木村直紀リテールビジネス部マーケティング第2グループ主任(味の素AGF)

レギュラーコーヒーのアイテム別で特筆すべきは、売れ筋の「スペシャル・ブレンド」に次いでエリア対応品の存在感が高まっている点。

エリア対応品は、18年8月に九州エリア向けの「九州まろやかブレンド」、19年8月に東北エリア向けの「東北コクゆたかブレンド」を発売開始し、各エリアで現在は「モカ・ブレンド」や「キリマンジャロ・ブレンド」の主力アイテムと肩を並べる規模に成長している。流通さまからは、地元住民に合う味わいを開発したことが高く評価され、特に発売初年度には大規模に露出展開して下さり異常値となるくらい販売していただいている」という。

エリア対応品を契機に主力アイテムの配荷も拡大傾向にある。

「エリア対応品だけが伸長していくのではなくて、主力品も定番棚への導入が増えるなど一緒になって伸長している」と語る。

継続性もみられる。

「東北はまだ一巡していないため把握できないが、九州では生活者のトライアル&リピートが続き右肩上がりになっている。『九州まろやかブレンド』単品でも伸長を続けている」。

エリア対応品。新商品は東海エリア向けの「東海 喫茶店のモーニングブレンド」(写真後方右)と瀬戸内エリア向けの「瀬戸内まろやかブレンド」(写真後方左)の2品(ちょっと贅沢な珈琲店)
エリア対応品。新商品は東海エリア向けの「東海 喫茶店のモーニングブレンド」(写真後方右)と瀬戸内エリア向けの「瀬戸内まろやかブレンド」(写真後方左)の2品(ちょっと贅沢な珈琲店)

さらなる拡大に向けて8月20日には、九州・東北に次ぐ第3弾として東海エリア向けの「東海 喫茶店のモーニングブレンド」と瀬戸内エリア向けの「瀬戸内まろやかブレンド」を新発売。また東北では「東北コクゆたかブレンド」のドリップコーヒーを新たに投入した。

新エリア対応品の配荷状況については「営業から定番棚に加えてエンド展開もいくつか決まったとの報告を受けている。取り扱いは順調に進んでいる」と期待を寄せる。

コミュニケーションは、同ブランドでは初となる原田知世さんを起用したTVCMを9月中下旬から10月にかけて放映しエリア毎に独自のプロモーションも実施する。

CMには「原田さんにレギュラーコーヒーを淹れてもらうことで、その過程で感じられる香りや音を表現し、本格感を重視する方に在宅時間をよりよくするものと捉えてもらいたい」との思いを込めた。

CMの後半にエリア対応品も紹介するCMも展開エリアごとに用意している。

「レギュラー・コーヒー ブラジル最上級グレード豆#(タイプ)2」(ちょっと贅沢な珈琲店)
「レギュラー・コーヒー ブラジル最上級グレード豆#(タイプ)2」(ちょっと贅沢な珈琲店)

直近の動きでは、ブラジル最上級グレード豆#(タイプ)2を100%使用したプレミアムタイプの新商品「レギュラー・コーヒー ブラジル最上級グレード豆#(タイプ)2」への引き合いが強まっているという。

「コスパ重視で大容量を求める動きがある一方、高くても良いものを求める動きのほうが強いように受け取れる。今後もプレミアムタイプを投入していきたい」と述べる。

水出し抽出・急冷ドリップの両方に対応した春夏向け新商品「レギュラー・コーヒー アイスコーヒーブレンド」でも手応えを感じられたという。

「他社の水出しコーヒーとは異なり、フィルター付きのポットに入れるか、お茶パックなどを用意する必要があるが、フィルター付のポットの使用率が上がってきていることに対応して市場に受け入れられている」とみている。

「ちょっと贅沢な珈琲店」ブランドの秋冬方針は引き続きレギュラーコーヒーに注力の構え。

ドリップコーヒーは、18年にドリッパーを改良しアラビカ豆100%使用のコンセプトに変更したところ「半期ごとに大きくお取り扱いを増やしている」とし破竹の勢いで拡大している。

「ブラックインボックス」から「産地ブレンドアソート」(左)と「焙煎アソート」(マキシム)
「ブラックインボックス」から「産地ブレンドアソート」(左)と「焙煎アソート」(マキシム)

個包装タイプのインスタントコーヒーは、本格感を前面に押し出したブランド方針の下、「マキシム」ブランドの傘で展開し好調な「ブラックインボックス」を「ちょっと贅沢な珈琲店」の中に取り込み刷新。ラインアップも拡充し「ブラックインボックス」から「産地ブレンドアソート」と「焙煎アソート」を新発売した。

個包装タイプのインスタントコーヒー市場は、単身世帯の増加や個食化に伴い、前期(3月期)は128%に拡大。「コロナ禍以前は主に職場飲用者に向けてプロモーションをかけていたが、家飲み需要が増えていることを受け、プロモーションの方向性を今後検討していく」。

今後は「ちょっと贅沢な珈琲店」を大切に育成していく。

「『ブレンディ』と比べるとまだまだ認知を含め弱い部分はあるが、まだまだ成長させることはできると考えている。バラエティ感や家族感が強い『ブレンディ』に対して『ちょっと贅沢な珈琲店』は本格感やこだわりのイメージが強い。本格的なブランドと思っていただけるように育てていきたい」と意欲をのぞかせる。