ボトルコーヒー、秋冬に商機 室内の高い気密性や暖冬傾向が背景

900㎖以上のファミリーサイズのボトルコーヒー(ペットボトルコーヒー)市場は近年、最需要期の夏以外の秋冬に需要が拡大している。19年9月から20年2月にかけては暖冬の追い風もあり市場は販売金額で二ケタ増の伸びを見せた。コーヒーの嗜好ニーズ以外に、のどの渇きを潤す止渇ニーズにも対応し、春夏の飲用者が秋冬も継続して飲用する傾向が顕著になってきている。

市場を牽引する「ネスカフェ」ボトルコーヒーを担当するネスレ日本の髙岡二郎飲料事業本部スターバックスCPG&RTDビジネス部長は「地球温暖化による暖冬と、室内の気密性が高まっていることで、暖房を使用すると乾燥しやすくなることなどが影響して、冬場でもアイスコーヒーのニーズが高まっている。また、購入率も増え習慣化の動きも見られる。昨年は春夏飲用者の過半の方が秋冬も継続して飲んでくださった」と指摘する。

同社は秋冬に向けて、「ネスカフェ エクセラボトルコーヒー」既存ラインアップの「甘さひかえめ」では甘すぎると感じ、同じく既存ラインアップの「無糖」では苦すぎると感じる人に向けて、9月1日に「超甘さひかえめ」を新発売した。

「職人の珈琲」ボトルコーヒーを展開するUCC上島珈琲は、春先にコクを強化してリニューアル発売した「低糖」と「ミルクに最適」のコミュニケーションを強化していく。

UCCの紙谷雄志マーケティング本部飲料マーケティング部BLACK無糖ブランドチームチームマネージャーは「2品ともミルクで割ってもらいやすくする目的でリニューアルしたため、秋冬に改めてミルク割りを訴求していく」と語る。

具体的には「牛乳で割って、簡単カフェオレ!」をテーマに、ミルクとホットの飲用を訴求するデザインラベルやデザインカートンへと差し替えて、新規ユーザーの獲得とケース買い促進を喚起していく。

デザインラベルには裏面にQRコードを記載して9月下旬公開予定の「職人の珈琲」アレンジレシピサイトへの誘導を図っていく。

ボトルコーヒーのパイオニアである味の素AGF社の「ブレンディ」ボトルコーヒーもミルクとホットの飲用を訴求していく。

AGFは、ボトルコーヒー市場が近年、ミルクを加えるカフェオレ飲用派とミルクなしで飲むストレート飲用派の二極化が進んでいることに着目。「オリジナル」「無糖」「微糖」「低糖」をラインアップし、全品のパッケージにアテンションを入れカフェオレにも好適であることを訴求している。

「ブレンディ」ボトルコーヒーの特徴は、厳選コーヒー豆を多めに使用したコーヒー規格になっている点にある。

「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」によると、パッケージに「コーヒー」と表示されている商品は、100g当たり5g以上のコーヒー豆(生豆)を使用したものと定められている。

一方、「コーヒー飲料」と記された商品は100g当たり2.5g以上5g未満のコーヒー豆を使用したものと定められている。

AGFではコーヒーの味わいを追求し、ボトルコーヒー市場で熾烈化する価格競争とは一線を画した販売戦略を遂行しているように思われる。

なお、ボトルコーヒー市場は1-7月、長雨などが痛手になったものの一ケタ台の伸長率で成長を続けている。全国的に梅雨明けした8月には大幅拡大が推定される。