海苔 コンビニ不振で大苦戦 35%占めるコア需要にコロナが直撃

海苔需要の約3割を占めるコンビニ向けがコロナ禍で大幅減を強いられている。コンビニの来店客数が4月から7月まで約15~20%減少し、重要商品のコンビニおにぎりが売れていない。家庭用海苔は巣ごもり消費で伸びているが、業務用のマイナスを穴埋めするには程遠い。海苔市場はここ数年の相場高騰を克服しつつあったが、レベル違いの苦境が襲ってきた。

今年4月に終漁した2019年度海苔共販は前年比約10%増の69億8千万枚となり、養殖環境は決して良くなかったが連続凶作は免れた。しかし、平均単価はさらに上昇して13円40銭と約40年ぶりの高値を付けた。本来なら昨年に続いて値上げやむなしの環境だが、コロナ禍が深まり世の中は緊急事態に突入。値上げ商談も吹き飛んで幻に終わった。また、ここ4年で少なくとも2回、多いところで3回の値上げを実施しており、これ以上の値上げは“海苔離れ”を起こすとして見送った企業もある。

ただ、もっと大きな問題がコンビニ不振だ。海苔需要は約80億枚(食品新聞推計)で、業務用が約72%、家庭用約24%、贈答用(仏事向け含む)約4%で構成される。業務用の50%がコンビニ向け(おにぎり、巻物、弁当含む)で、全需要に占める割合は約35%となる。1つの業態向けとしては最大であり、そのコア需要にコロナが直撃した格好だ。

コンビニ向けに納入する海苔企業は業界大手を中心に10~20社ほどいるが、来店客数の減少に合わせて4~7月の納入実績は前年比15~25%減となっている。チェーンによって多少の差はあるが、少なくても二ケタ減は免れていない。海苔業界ができる対策はなく、ひたすら下げ止まりを待つしかない状況だ。

コロナ影響としてはコンビニ向けが一番大きいが、マイナス実績としてはさらに下がある。贈答用だ。こちらは百貨店が4、5月に休業やデパ地下のみの営業となり、老舗贈答海苔店などの売上げは約60%減まで下落。中元実績も約15%減と厳しいが「40%減を覚悟していたので健闘だ」(贈答店)と、なぜか勝利気分が漂う。

果たして年間需要がどれほど落ち込むか不明だが、一転して在庫の余剰感は出ている。これまで国産は不作や大凶作で騒いだが、輸入海苔(韓国産、中国産)で穴埋めし不足感はなかった。また、欧米やオセアニア市場など世界的にも業務用海苔は需要が減少し、世界最大の海苔輸出国である韓国は来年度漁期(2020年12月~)の相場安を見越して、在庫の見切り販売に出ている。日本市場も同様な傾向が見られるが、海苔養殖は始まってみないと分からない。ただ、昨年までの不作と相場高騰を心配する姿勢は減っている。