アンデス育ちの四元豚 小売にも広がる販路 情報発信を強化へ アグロスーパー

チリの総合食品大手・アグロスーパーは、1955年に創業。現在は年間85万t以上の豚肉、鶏肉、七面鳥や加工食品を生産する。世界主要都市に拠点を構え、66か国に製品を輸出。99年から輸出を行う日本向けには、主に豚肉とサーモンを供給している。2004年から東京にも事務所を置く。

同社の豚肉は色が濃く、赤身と脂肪の絶妙なバランスが特徴。3品種を掛け合わせ一般的に三元豚と呼ばれるLWD豚に、同社独自の育種で生まれた「L65」を交配した四元豚だ。肉の形が揃っていることからカットしたときのロスが少なく、歩留まりが良いのも大きなメリットだという。

アンデス・アジアの高宮アンドレアス社長
アンデス・アジアの高宮アンドレアス社長

「日本市場向けにサシの入った肉を供給するに当たり、赤身と脂のバランスや、どんな飼料を使えばおいしい肉が作れるかといった課題について5年ほどテストしながら開発した。品種ミックスは30年以上変わっておらず、コーンをベースにした飼料、アンデス山脈からの水に含まれるミネラルがおいしさの秘訣だ」。

日本市場での販売を担うアンデス・アジアの高宮アンドレアス社長が力説する。これまで品種などの話はあまりしてこなかったが、今後は積極的に情報を発信していく方針だという。

「日本では三元豚、四元豚といったことへの関心が高いが、一番大事なのはストレスなく育った豚であること。われわれの農場はアンデスの標高500~1千mに位置し、平均気温は20℃前後。ストレスのない環境で元気に育つことで、免疫力がアップして病気にかからない」。

日本で販売される同社の製品は、主力であるハム・ソーメーカー向けの原材料、そして外食向けの食材が大半だった。ただ今回のコロナ禍で外食向けの販売が一時急減。これに伴いスーパーなど小売向けの提案も強化し、徐々に販売が拡大しつつある。

「外食が減った分はリテールに回して、外食関係はどうサポートできるかこの数か月考えてきた。われわれが大事にしているのは、お客さまとパートナーシップを結んで長くお取引すること。リーマンショックの時にも大変な経験をしたが、日本はこれからも大事なマーケットなので絶対に撤退はしない」(高宮氏)。

8月26日には、メディア数社を招待し豚肉製品の試食会を実施。シェフで同社ブランドアンバサダーのリカルド・ゴンザレス氏による、各部位の料理が提供された。

ゴンザレス氏は「今は世界がネットでつながれる時代。日本のお客さまに、もっとアグロスーパーを知っていただければと思う。今年はオリンピックも延期になってしまったが、まだ道はあるはず。コロナの中でどうやって変化していくべきか、考えていきたい」と語った。