小池都知事、PETボトル循環利用に意欲 都に協力へ飲料業界がプラットフォーム整備

飲料業界を束ねる全国清涼飲料連合会(全清飲)の米女太一会長は8月27日、業界共通の共益と社会共通の公益を改めて優先していく考えを示し、「特に環境面は非常に大きな問題であり、個社の能力を集めながら業界全体のプラットフォームをつくっていくことが必要」と述べた。

環境面での直近の取り組みとしては、東京都が取り組むプラスチック削減プログラムに協力。

8月7日、オンラインで開催された「ボトルtoボトル 東京プロジェクト キックオフ会議」には小池百合子都知事と米女会長はじめ、全清飲の主要会員社が参加し水平リサイクル(ボトルtoボトル)によるペットボトル(PET)循環利用の取り組みや考え方を共有した。

キックオフ会議で小池都知事は「新たな化石燃料を使うことなく、使用済みのプラスチック製品を再び同じ用途で使用可能なプラスチックに戻していくことが水平リサイクルに不可欠な課題。ボトルtoボトルを大きな流れにしていきたい」と意欲をのぞかせた。

全清飲の米女太一会長
全清飲の米女太一会長

米女会長も27日の会見で「東京都が取り組む水平リサイクルの牽引役をPETが担い、いろいろなことをさせていただくことが全清飲としてもものすごく役立つことだと考えている」と意気込みを語った。

東京都と全清飲との具体的な活動は今後詰められる。

全清飲の河野敦夫専務理事は「東京都と具体的な活動について日々やりとりをさせていただいている。特に消費者接点や新しい回収拠点をつくり、そこで啓発していくという部分にフォーカスして今年は一緒に取り組んでいく」と説明した。

業界初の試みとして昨年11月に実施した自販機横リサイクルボックス協働回収モデル事業で得られた知見も活用していく。

現在の法規制では、部外者がリサイクルボックスにある缶やPETの空容器を回収することはできない。

回収されたPETの空容器
回収されたPETの空容器

モデル事業では、東京都の再生利用指定制度のもと環境省の支援を得て、全清飲が委託した回収事業者が江東区と墨田区の一部にある複数企業のリサイクルボックス約850台で空容器の共同回収を行った。

その結果、リサイクルボックス1台当たりの空容器回収量が約12%増加。加えて「散乱防止の改善や異物混入率の改善が進んだ。労働環境面では総労働時間の短縮、営業訪問件数の増加の効果もみられた」(河野専務理事)。

今後はプラットフォームを整備し、教育・レジャー施設やオフィスビルなど高品質な使用済みPETの回収が見込める事業を視野に入れて持続可能なモデルへと発展させていく考えだ。なお、ボトルtoボトルのプロセス(メカニカルリサイクル)は以下の通り。

(1)回収PETを粉砕してフレーク(薄片)にする。
(2)そのフレークをアルカリ洗浄して表面を削り取り高度化リサイクル用フレークにする。
(3)高度化リサイクル用フレークを高温・真空下にさらして樹脂に染み込んだ汚染物質を吸い出して徹底的に除去する。(溶融・メカニカル処理)
(4)メカニカル処理された非結晶レジンを結晶化させる。(結晶レジンペレット)
(5)結晶レジンを再び溶融してPETのもととなる試験管のような形をしたプリフォームを成形する。
(6)プリフォームを加熱し高圧空気を吹き込んでPETに加工する。

ボトルtoボトルの水平循環型リサイクルは、理論上、何度でもリサイクルできる仕組みになっているが、不純物が混ざるとこれが成り立たなくなる。

持続可能には、高純度のきれいな状態での回収が求められる。

タバコの吸い殻などを空容器に詰め込んだり、リサイクルボックスにプラスチックカップを投入したりすると水平循環型リサイクルを難しくさせる。

【参考】「ボトルtoボトル 東京プロジェクト キックオフ会議」
https://www.youtube.com/watch?v=kklNoFgBKX8