バラエティ化が加速する食用油 えごま油、100億円カテゴリーへ こめ油、大手各社が本格参入

昨年度、過去最高の1千500億円規模を突破した家庭用食用油市場。コロナ禍で内食需要の高まりを追い風に、今期4-6月は金額・数量とも12%増と伸長。7月以降は落ち着いてきたものの安定成長が続いている。オリーブオイル、キャノーラ油、ごま油の3本柱に続き、オメガ3豊富なアマニ油・えごま油、さらにはこめ油などプレミアムオイルの存在感が高まっており、大手各社の本格参入も相次いでいる。

4-6月の家庭用食用油市場は、巣ごもり需要で各カテゴリーとも好調だったが、その中でも伸びが目立ったのが、ごま油。内食化で餃子やチャーハン、麺、炒め物など定番メニューの登場頻度がアップし、前年比3割増と驚異的な伸びを記録。ボリュームゾーンのキャノーラ油も二ケタ増。オリーブオイルも前年を上回っており、主要カテゴリーが市場を牽引した。一方で、業務用の需要消失もあり食用油全体では大変厳しい状況にあるが、家庭用に限れば下期も引き続き安定成長が期待されている。

こうした中で、秋冬の注目カテゴリーは、えごま油とこめ油。市場規模はそれぞれ年間80億円程度だが、健康志向や内食需要の高まりを背景に、大手各社の本格参入が相次いでいる。

えごま油はアマニ油と同様にオメガ3脂肪酸が豊富で、健康機能が注目されている。これまで中小メーカー主体のサブカテゴリーだったが、昨年秋にJ-オイルミルズが家庭用えごま油に本格参入。1年が経過した今秋はえごま油・アマニ油を「オメガ3」シリーズに刷新し、密封ボトルなどのラインアップも整え、さらなる拡販を狙う。

日清オイリオグループも今秋新製品で「日清有機えごま油」を発売。鮮度のオイルシリーズの145gフレッシュキープボトルと、トライアルしやすい小容量50g瓶の2品で、かけるオイルの提案を強化するほか、マヨネーズタイプの「日清えごま油日和」を同時発売し食卓での使用シーンを一気に広げる構えだ。

15年のオメガ3ブーム後、先行するアマニ油は年間110億円規模のカテゴリーに成長した一方、えごま油はピーク時の実績にはあと一歩届いておらず、大手2社の本格参入で市場活性化が期待されている。

また、かつて数十億円規模だった、こめ油は米ぬか由来の栄養成分とおいしさが評価され、19年度には77億円にまで拡大。今期4-6月も二ケタ増で推移しており伸長が続く。専業メーカー主体のマーケットから、日清オイリオ、J-オイルミルズに続き、今シーズンは昭和産業が米油を投入。揚げ物からドレッシングまで幅広い料理に使える万能プレミアムオイルとして、汎用油からのシフトも加速しており、年間100億円の大台も視野に入ってきた。

家庭用油市場はオリーブオイル、キャノーラ油、ごま油の3本柱に続き、アマニ油、えごま油、こめ油などプレミアムオイルの存在感が高まっている。従来の加熱調理から、かけるオイルに代表される生食用途の広がりや、オイルで味付けする新たなニーズも芽生えており、さらなる成長が期待されている。