日本初「糖質ゼロ」ビール 機能系でも味わいに自信 キリンビール

キリンビールは、狭義のビールでは難しいとされていた糖質ゼロを日本で初めて実現したという「キリン一番搾り 糖質ゼロ」を10月6日に発売する。布施孝之社長は「『一番搾り』ブランドからビールの魅力を広げる新しい価値を提案したい」と胸を張る。

発売の背景にあるのは健康志向の高まりと、今年10月に予定される酒税改定だ。ビール市場は減少傾向だが、同社がビールを飲む量が減った理由を調査したところ、健康を理由とした回答が多かったという。

また、今年5月の同社調査でも、ビールから缶チューハイ(RTD)など低糖質のカテゴリーへの移行が示されており、糖質を避ける傾向が現れているとみる。

コロナ禍では糖質ゼロ・オフ系のビール類が好調と、昨年までとは異なる動きを見せており、健康志向はより伸長するとみている。

また、健康を意識するビール類購入者と糖質オフ・ゼロ系ビール類購入者の差は約2千100万人あり、ここに「未充足のニーズがあるのでは」(山形光晴マーケティング部長)と考える。さらに糖質ゼロとオフの市場構成比は6:4であり「ニーズの高い“ゼロ”のビールがあれば、ビールの魅力がさらに広がる」(山形氏)と話す。

今秋は酒税改定の第1弾が実施され、350㎖缶当たりのビールの酒税が77円から70円に減税、第3のビール(新ジャンル)が28円から37・8円に増税され、酒税額差は縮まることで狭義のビールに有利に働くとみられる。

狭義のビールは麦芽使用量が50%以上。含まれる糖質量が多くなることから技術的ハードルは高かったものの、5年以上をかけて開発。麦芽の選定から見直し、さらに仕込技術・発酵技術を進化させた「新・糖質カット製法」を生みだした。

「キリン一番搾り 糖質ゼロ」(キリンビール)
「キリン一番搾り 糖質ゼロ」(キリンビール)

糖質オフ・ゼロ系ビールは味に課題があったが、「一番搾り」ブランドの要である「一番搾り製法」を使うことで「雑味のない澄んだ麦のうまみが感じられ、飲みやすく、飲み飽きない味わい」を実現したとする。事前調査ではビールユーザーの94%から好意的な回答を得た。流通側からも市場活性化や商品への期待が寄せられており「手応えを感じている」(山形氏)と語る。

「一番搾り」ブランドからの投入について山形氏は「『糖質ゼロ』の美味しさを感じていただき、それを『一番搾り』ブランドだと覚えていただくことで、ブランドの活性化に繋がる」と期待。発売に当たってはTVCM投入の他、デジタルメディアも駆使して訴求。小売店頭での活動にも注力する。また、家庭用の動向と業務用市場を見定めながら業務用商品の投入も検討する。

ゼロ系ユーザーに限らず、広くビールユーザー全般をターゲットとする。年内の販売目標は約120万箱(大瓶×20本/箱)。「一番搾り」ブランド全体は約1千670万箱(前年比約1割増)。特に「同 糖質ゼロ」が発売される10~12月は約4割増を見込む。アルコール度数4%。350㎖缶・500㎖缶を用意。オープン価格だが「一番搾り」本体と同等を想定する。