スティック市場、350億円突破の勢い 在宅勤務増加で変化するニーズ・嗜好に対応

この秋冬はスティック飲料市場のさらなる拡大が予想される。スティックの価値は、簡単につくれることと携帯のしやすさなどにある。市場は、おいしさ・溶けやすさなど品質向上とバラエティ化に伴い右肩上がりに成長。19年も暖冬の影響を受けながらも微増となり、市場規模は330億円強と推定される。今年は新型コロナウイルスの影響を主要因とした家庭内消費増で勢いが加速し4―5月に20%近く伸長したとみられる。高付加価値商品への引き合いも強まり、最需要期の秋冬にはさらなる拡大が見込まれ、市場規模は350億円の突破が予想される。

今回、スティックに注がれるお湯の量が増加傾向にあることに着目し刷新を図ったのはトップシェアを握る味の素AGF社の「ブレンディ」スティック。味の素グループのスペシャリティ素材を配合するなどして定番アイテム「カフェオレ」の濃厚感をさらに向上させた。

これについてAGFの古賀大三郎リテールビジネス部長は「飲用する際に注がれるお湯の量が4、5年前と比べて10%程度増えていることがよく分かった。恐らくマグカップが大きくなったことが起因しているのだと思う。仕事をしながら時間をかけて飲まれる中で、同じような味を提供しているようでは今の生活者のニーズは満たせない」と説明した。

バラエティも強化していく。新商品「キャラメルカフェオレ」を投入するとともに「もっと気軽にいろいろな味を楽しみたいというご要望を多数いただいた」ことに対応して計12品種で2本入り商品を新発売する。

専門店品質の濃厚な味わいがコンセプトの「ブレンディ カフェラトリー」スティックのコーヒー系品種も刷新。「泡の品質を向上させた。きめ細かく、なめらかで豊かな味わいを強化すべく、現行品と比較すると約1・1倍の泡の量となるようにした」。

これに対しネスレ日本は“濃厚さが感じられない”“泡がすぐに消えてしまう”といったスティックの不満点を解消すべく、新シリーズ「ネスカフェ ゴールドブレンド 大人のご褒美」を9月1日に新発売した。

同シリーズは、「カフェラテ」「カプチーノ」「キャラメルマキアート」「ロイヤルミルクティー」「宇治抹茶ラテ」の5品をラインアップしミルクを多めに使用した濃厚な味わいと、それぞれの素材・ミルク・甘みのバランスのよさが共通の特徴となっている。

三井農林が「日東紅茶」のスティックで行った“かき氷提案”
三井農林が「日東紅茶」のスティックで行った“かき氷提案”

キーコーヒーは、素材にこだわり喫茶メニューの再現を目指した「カフェオレ 贅沢仕立て」と「カフェモカ 贅沢仕立て」の2品を発売した。

「インスタントミックスユーザー(スティック)は満足できる商品になかなか出会えておらず常に模索されている」と推察するのはキーコーヒーの折原拓朗マーケティング本部R&DグループGLプロダクトチームリーダーで、同社はこの分析の下、前述の2品を開発した。

スティックは汎用性にも拡大余地がある。今夏、「日東紅茶」のスティック商品を使ったかき氷の提案を行ったのは三井農林で、同社の宮原正樹リテール&コンシューマーグループグループリーダーは「水溶性のパウダーなので、食べるタイミングで溶けて氷がベチャベチャにならず、さらさら感を残した新しいかき氷になる」と説明した。