“生モッツァレラ”投入 間口、奥行の拡大目指す 明治

カプレーゼの定着などにより、近年、市場を急拡大しているのがフレッシュモッツァレラチーズ。これまで森永乳業などが市場を牽引してきたが、28日に北海道、関東甲信越、関西エリアで先行発売する「明治北海道十勝生モッツァレラ」(100g、税別400円)で明治が市場参入する。参入に当たり同社では、約30億円を投じ、十勝工場(北海道河西郡芽室町)に新ラインを建設。「将来的には、市場規模(約80億円)の倍増を目指す」と意気込む。

群雄割拠のフレッシュモッツァレラ市場だが、同社の新製品は熟成していない乳酸菌が生きた状態のNC(生チーズ)とし、北海道産生乳のおいしさを最大限に引き出す製造方法でミルク感を重視するとともに、やわらかな食感を実現。また、遮光性に優れたアルミ蒸着フィルムを使用するなど、徹底的に鮮度にこだわることで、先行商品との差別化を図った。

ポイントは製品名にもある“生”。これについて同社では「“生”というワードにより、乳酸菌が生きていること、より新鮮であることを訴求した」としている。

モッツァレラチーズの市場は急拡大しているものの、カマンベールと比べると、いまだ購入経験率や年間の購入個数は低いまま。明治はその原因として「世の中に定着してきているとは言え、いまだ特別な日のオシャレな料理として食べられ、特別な日でなくても食べたいなと思ってもらえるところまでいっていないのではないか」と指摘。その上で「日常的に食べてもらえるメニューを提案することで、市場が拡大できるはず」との見解を示す。

このため、発売に合わせ、包丁などを使わずに手でちぎり、オリーブオイルなどをかけてそのまま食べる“ちぎりモッツァレラ”や、おかかまぶし、生ハム巻き等々、簡単でカジュアルな手軽な食べ方を提案することで、“ハレの日”のチーズから“日常”のチーズ”に転換。間口と奥行の拡大につなげていきたい考え。

平時であれば、店頭施策を含め大々的なプロモーションを展開するところだが、現在は有事。このため、「SNSによるプロモーションを中心に展開し、“ちぎり”による新たな食べ方や、乳酸菌が生きている“生”というフレーズを訴求しつつプロモーション活動をしていく」(同社)。

国内ナチュラルチーズ市場では、認知症へのエビデンスが幅広く報じられたカマンベールチーズが急成長していることに加え、動脈硬化に良いと報じられたブルーチーズが爆発的ブームとなるなど、ナチュラルチーズへの関心が高まっている。明治の新規参入による市場活性化が期待される。