コロナ感染も「災害」だ! 個人の「備蓄」認識が急変

新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、自然災害に見舞われる「複合災害」の危機感が高まっており、防災対応も新たな局面を迎えた。従来の防災対策は地震や津波、集中降雨など自然災害への対応に趣が置かれたが、コロナ感染をきっかけに避難所では密閉、密集、密接の「3密」を避けることが必須課題とされ、やみくもにコロナ感染が危険な避難所に出かけず、自宅に留まって状況を判断すべきとする向きも高まってきた。

防災食に栄養、免疫力も必要

コロナ感染を契機に防災への意識が高まってきたのも事実だ。コロナ前は、「家族全員が3日以上対応できる防災食を備えている」家庭は10.8%とわずかで、「防災食・非常食」への意識は低かった。しかし、コロナ禍で地震が発生したらどうしようと不安がる声が高まっており、防災食や防災グッズが例年以上に高まっている。

各家庭や個人では、不要不急の外出自粛中の震災に備え、商品在庫を回しながら切らさず使う「ローリングストック」という備蓄方法の認識も高まってきた。農水省や食品業界を中心に、啓発活動を長年展開してきたが、ここにきてコロナが引き金となって一気に浸透。即席麺や缶詰、レトルト食品、米飯類、パン、菓子、飲料などさまざまな食品が平時以上の売れ行きを保っている。

また、「日常時」と「非常時」の二つの段階において、必要なのは防災のという特別なものではなく、普段の生活で自然に使われ、災害時にも役立つ「フェイズフリー」という考え方もある。さらに「ローリングストック」は、在庫を回していく方法だが、食べながら回していく「ランニングストック」という考え方もあり、コロナという新しい日常の中で、個人の「備蓄」への考え方が変わってきた。

一方、ウイズコロナ時代だけに「備えながら栄養をとる」ことや「免疫力」が必要とされ、加工食品の中でも売れ筋に変化が起きている。常温の発酵乳や野菜飲料、バランス栄養食、サプリメント、発酵食品など健康や栄養価値を切り口とした商品が見直されてきた。