節約志向で低迷分野に光 煮豆や大袋ウインナー伸長 特売抑制が背景に

節約志向の強まりを受け、煮豆や大容量のウインナーなど、これまで市場が低迷していた分野の商品が見直されている。さまざまな料理に利用できる量の多さ、1食当たりの割安感といった点が再評価された。スーパーが特売を控えたため価格を判断基準にできなくなった消費者が、自ら経済性を意識し商品選択する傾向が強まったことが背景にある。

フジッコでは豆製品の主力シリーズ「おまめさん」が4月からの3か月間、前年比二ケタ近く伸長した。昨今、煮豆の市場は低迷を続けているが、ここにきて伸びた背景には節約志向の強まりがある。袋入りの煮豆は1袋で7~8食分が取れ、1袋が1~2人前の包装惣菜に比べると値頃感が強い。そのため「夕食のおかずの1品として、利用されるシーンが増えたのでは」とおかず事業部の徳永憲彦部長は推測する。

外出自粛の期間はスーパーが特売を減らし価格訴求を控えたため、消費者が価格を判断基準にしにくくなった。その代わりに「それぞれの商品のお値打ち度合いを、お客さま自身が判断する傾向が強まった」(徳永氏)とみる。

スーパーもこうした消費動向に対応した商材を求めており、別の煮豆メーカーは「量が多めで割安感があるパックの金時豆などを商品化してほしいといった要望が小売から寄せられている」と明かす。

ハムソー市場では大容量のウインナーが伸長した。市場データによると今年5月、売れ筋の100gや200gは1~2割増加したが、600g以上の大袋は約1.5倍とさらに大きく拡大。内食化で調理機会が増え、焼きそばや炒飯などの主食メニューに使われることが増えたのが一因と思われる。

また、日本ハムマーケティング推進部の小村勝部長は「買い物へ行く回数が減り、一度に買う量が増えたため、それまであまり動いていなかった大容量が伸びた」と説明する。

このほか、日本ハムでは野菜を加え調理する「中華名菜」シリーズにおいて、30~40代の購入額が前年に比べ2~3割増加した。家庭内調理の拡大によるものだが、ロングセラーの同商品は主力購買層の高齢化が進んでいた。

今回、若い世代の購入が増えたことを将来につなげようと、新たに大皿スタイルの新商品を投入。もやしや玉ねぎなど安価な野菜を活用することで、出来上がりの量は従来品の1.5倍となる。子育て世代が多い30、40代へ向け、ボリューム感でアピールする狙いだ。