食品大手 新型コロナの影響大 家庭用/業務用で明暗 “巣ごもり”関連が好調 第1四半期業績

食品大手 2020第1四半期連結業績

主要食品NBメーカー(2021年3月期/上場売上高上位20社)の第1四半期連結業績は、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の影響を受けた業務用の不振などにより14社が減収となる一方、販管費等の圧縮により12社が増益を確保した。今第1四半期は“巣ごもり消費”関連で家庭用が好調に推移する一方、外食等の不振を受けて業務用は苦戦。家庭用と業務用の比率により明暗が分かれた。

売上高上位3社は、明治ホールディングスが主力の食品セグメントで菓子が前年割れとなったほか、株式譲渡により国内子会社3社が連結対象から外れたことなどにより減収となったものの、新型コロナを受けたプロバイオティクスやヨーグルトの増収、販促費の圧縮などにより二ケタ増益とした。

日本ハムは、新型コロナの影響により国内の業務用チャネルと海外事業の販売環境が悪化したことで減収。利益は減収要因に加え、海外事業の販売・仕入れ環境の悪化とプロ野球開幕延期などが響いた。

味の素は、巣ごもり需要の伸長により家庭用(調味料・食品、冷凍食品等)の販売が増加する一方、外食用・業務用の販売減で減収。事業利益は家庭用の増収効果やマーケティング等の活動抑制による費用減、動物栄養の大幅増益などで二ケタ増益。

日清食品ホールディングスは、国内外の即席麺事業が好調に推移したことに加え、国内のチルド・冷凍麺の伸長もあり大幅な増収。東洋水産は、内外即席麺やチルド麺を中心とする低温が貢献。カルビーは、前年比24%増となった海外事業が寄与した。

減収各社は業務用の苦戦が影響した形だが、そうした状況下、営業利益では健闘する企業が目立った。日清食品、東洋水産は、増収効果とコスト減で大幅増益。プリマハムは、家庭用を中心とする加工食品事業が増収増益となったことで増益とした形だ。

ニチレイは、生産性改善、業務効率化や経費抑制などにより加工食品と低温物流を中心にグループ全体の減収をカバー。日清オイリオは、コストに見合った適正価格の維持・形成、付加価値品の拡販などに継続的に取り組み収益改善を図った。

二ケタ減益となった日本水産は、水産事業の営業利益33.3%減が響いた。新型コロナを受けた外食、観光需要の急減によるホテル・レストラン向け水産品・業務用食品の販売減が要因。日本製粉は、主力の食品事業が売上高5%減、営業利益19.3%減となったことが減益要因。家庭用は好調に推移したものの、業務用、中食が苦戦した。

営業利益率は日清食品ホールディングスを筆頭に、味の素、ヤクルト本社、東洋水産、カルビーが10%超。日清食品ホールディングス、東洋水産は主力の即席麺事業の増収増益が寄与。

通期業績予想は表の通り。いずれも新型コロナの影響が見通せないこともあり、保守的な予想となっている。

減収二ケタ減益予想とした日清オイリオは、油脂・油糧および加工食品事業セグメントで第2四半期以降、家庭用の需要の伸びが鈍化していくと想定していることに加え、業務用は引き続き低迷が続き、加工油脂、ファインケミカルも、第2四半期以降、需要の減少が続くと見込んだ。