潮目変わるチルド麺市場 新型コロナで間口急拡大 日清食品チルド社長 伊地知稔彦氏

「潮目が変わった」。長期低落傾向が続いていたチルド麺市場だが、新型コロナウイルス感染症拡大による内食機会増を受け、2019年度は4年ぶりにプラス成長で着地。今期も7月中旬まで二ケタ伸長するなど好転している。「6月後半から需要に落ち着きが見られる」というものの、「ユーザーの裾野が広がったことは間違いない」と語る伊地知稔彦日清食品チルド社長が、チルド麺市場の現状と9月1日からスタートする同社の「おいしいeco麺」プロジェクトの取り組みなどについて語った。

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2019年度のチルド麺市場は、2月後半から3月にかけての需要がかなり大きかったこともあり、4年ぶりに前年を上回った。特に、ラーメンと焼そばが市場を牽引した。今期(4~7月中旬)も前年比約120%超という大きな伸びとなっており、4月、5月は130%台という異常な伸長率だった。6月後半から落ち着き、7月はほぼ平時に戻りつつある。当社の今期実績も「行列のできる店のラーメン」「まぜ麺の匠」「つけ麺の達人」「日清の太麺焼そば」といった主力ブランドが好調に推移し、前年実績を上回っている。

今期の市場を牽引しているのはラーメンだ。市場は前年比130%超となっており、4月、5月は140%超という伸び率。ラーメンの中では、まぜ麺の伸びが顕著。昨年から盛り上がってきていたが、今期は前期比で3~4倍。ラーメン、つけ麺と比べ、まだまだ市場は小さいが、今期の特筆すべき点だ。ラーメンは、4~5月のピーク時、購入経験率が前年比二ケタ以上の伸びとなった。これはユーザーが大きく増えたことを示している。内食の拡大、緊急事態宣言中の外食(ラーメン店)の休業、(緊急事態宣言解除後も)消費者のマインドが(コロナ以前に)戻っていないということもあるが、外食需要が内食に移ってきているものとみている。これまでチルド麺を食べる機会がなかった方々が、「おいしいラーメンを食べたい」ということで、この期間にチルド麺にトライしてみたところ、「意外といけるじゃないか」「街の行列店や繁盛店レベルの商品クオリティがあるじゃないか」とご認識いただいたことで、(チルド麺の間口が)大きく広がったものと考えている。

(新型コロナ以前)チルド麺のユーザーは50代以上の割合が高かったが、(新型コロナで)20~30代の利用機会が増えたことで、従来のメーンユーザーに加え、若年層や単身層が大きく伸びてきた。その結果が、4~5月のチルド麺市場の異常ともいえる伸長率の要因と分析している。当社の「行列のできる店のラーメン」「まぜ麺の匠」「つけ麺の達人」「日清の太麺焼そば」といった主力商品も、この間、販売を大きく伸ばした。

市場の先行きは不透明だが、裾野が拡大していることから、4~5月ほどではないにしても、市場は高止まりするものと考えている。こうした環境下、当社は今秋冬商品から、グループ環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」の実現に向けて、チルド麺が持つ本格的なおいしさに加え、環境に配慮した地球にやさしい商品を積極的に提案する「おいしいeco麺」プロジェクトに取り組む。「フードロス問題にどう取り組むか」(賞味期限延長)、「調理で使用するお湯の量や、調理の過程で発生するCO2をどう低減していくか」(エコ調理)、「限りある石油資源であるプラスチック原料(プラスチックトレー)といったものをできるだけ減らしていく」(エコ包装)、まずは大きくこの3つの視点を持ち、日清食品チルドとして環境戦略をスタートさせる。