成長する中食惣菜市場 外出自粛で客足減も郊外店から回復へ

中食惣菜市場は昨年まで10年連続で成長を遂げた。市場規模は10兆3,000億円を超え、食卓にプラスアルファを与えられる簡便惣菜の需要が高まっている。今年に関しては新型コロナウイルス感染拡大の影響で春先の売上げが減少。外出自粛による来店客の減少が響いた。しかしながら、すでに郊外のスーパーを中心に客足が戻ってきており、惣菜関連の需要は回復しつつある。

中食惣菜は新型コロナウイルス感染拡大のダメージが大きく、特に4、5月は過去にないほどの苦戦ぶりだった。コンビニ、スーパー、デパート、専門店への来店客数が減ったほか、日持ちがきかない即食品ということで、グロサリー関連で見られた買い占めも起きなかった。売場ではコロナ対策からバラ販売が姿を消し、パック販売中心に。客足に関しては郊外店舗が回復する一方、在宅勤務が増えたことで都市部の店舗では遅れが目立っている。

全体的な傾向としては一般惣菜のシェアが若干縮小傾向にあり、袋物惣菜が伸びている。袋物惣菜の伸びは著しく、2020年版「惣菜白書」(日本惣菜協会)によると、2019年の市場全体が0.7%増という伸び率に対して、袋物惣菜は11.8%増と二ケタ成長を遂げた。

チャネル別の構成比はコンビニ(CVS)が32.6%でトップ、食品スーパー(SM)が26.6%、総合スーパー(GMS)が9.3%でいずれもシェア拡大。専門店(28.1%)と百貨店(3.4%)が減らした。

CVS各社とも来店客数の減少に伴い惣菜関連の売上げも苦戦する中、新たな施策を展開。セブン‐イレブンは品質向上による圧倒的な差別化を推進するとともに、冷凍トレーパスタシリーズを投入するなど即食ニーズを強化した。

ファミリーマートは「健康・満腹・満足」をコンセプトとした商品開発を実施。スーパー大麦や全粒粉商品を提案するほか、惣菜シリーズ「お母さん食堂」の新シリーズを投入する。

ローソンはトータルの売上高は大きく減少したものの、家庭内向けの商品は伸長しており、巣ごもり需要商品の品揃えを充実させた。また業界に先駆けて着手したウーバーイーツによる弁当・惣菜の宅配サービスについても順次エリアを拡大し、約500店舗でサービスを展開している。

新型コロナウイルスの状況にも大きく関係するが、惣菜に対する需要は旺盛で今後はさらなる回復が見込まれている。以前ほど客足が伸びない中で、いかに来店客にアピールできるかが需要取り込みのカギを握る。食品ロス低減にもつながる消費・賞味期限の延長については、技術開発を強化。キユーピーでは今秋から日持向上の新商品を投入する計画だ。

ウーバーイーツや出前館といった宅配サービスの利用が増えたことで、外食サービスの単価が上昇。中食惣菜も低価格一辺倒でなく、おいしさや本格をテーマとした付加価値のある商品に注目が集まっている。