料理回帰をチャンスに 昆布の出番を増やす 天満大阪昆布 喜多條清光社長

今年は2月末ごろから新型コロナの影響で多くの催しが中止となった。昆布水の普及に力を注ぐ天満大阪昆布の喜多條清光社長も、普段なら昆布に関するセミナーや講演で全国を駆け回っているが、それらが軒並みなくなった。

さらに「7月は仕事をしたことがない」(喜多條社長)というほど心血を注ぐ大阪天満宮の天神祭も、今年は主要行事が軒並み取りやめとなった。講演や祭りがなくなり、余った時間を昆布の有効性を学び新しいメニューを開発するのに充てたという。

昆布水とは昆布を水に入れ、だしを抽出した水。それをより簡単に、かつ旨味が出やすいよう1mmに刻んだだし昆布が同社の商品化した「昆布革命」だ。著書やネットを通しレシピを発信しながら普及に注力してきた。

だがある時、消費者が昆布水を作る過程を省き、刻んだ昆布をそのままフライパンに入れ鶏肉を調理しているのを知る。「まず昆布水を作って、それから料理するのが当たり前だと考えていた。こんな使い方があったのか」(同)と目から鱗が落ちた。そして、昆布水を作るひと手間を省き、より簡単に料理ができるレシピを考え始める。こうして「1冊本ができるくらい」(同)のメニューが生まれた。

喜多條清光社長(天満大阪昆布)
喜多條清光社長(天満大阪昆布)

喜多條社長はこれからの新しい食生活を見据える。「新型コロナによって新しい生活スタイルが生まれ、食生活のウエートが高まった。特に健康面がクローズアップされ、そこから見直す人が増えている」。

その中で、昆布の可能性をどう広げていくか。「在宅時間が長期化し、多くの子どもたちが料理をし始めた。だし巻玉子を作れる子どもが増えた。これは今までなかったことだ。そういう子どもたちでも昆布をもっと楽に使えるよう、ハードルをいかに下げるか。食材として目新しいものではないが、時代に応じた食べ方、作り方の提案が必要だ」。

新型コロナ拡大のため百貨店の催しなどがなくなり、商売へのダメージはあったが、「次世代へ昆布文化を伝えることを考える良い機会になった。これから料理回帰の流れになると『昆布革命』の出番も増える」と期待を込める。