天然水の栄枯盛衰と「ボルヴィック」

キリンビバレッジが展開してきた仏産のミネラルウォーター「ボルヴィック」が年内で販売が終わる。オーナー会社との製造委託契約終了によるもので、日本の天然水市場の栄枯盛衰をみてきたブランドだけに惜しまれる。

▼国内では1986年からキリン社の競合であるサントリーグループが販売していたのはあまり知られていない。その後、2002年から仏国ダノン社と三菱商事、キリンビバレッジによる合弁会社、キリンMCダノンウォーターズが販売を開始し、13年から事業スキーム変更に伴いキリンビバレッジに移管された。輸入水の中では珍しく日本人に好まれる軟水だということもあり、一時は輸入天然水のトップに躍り出た時もあった。

▼阪神・淡路大震災や東日本大震災、2000年問題(Y2K)では特需が発生。2年前はインバウンド需要により復調気配もみられたが、今年はコロナの影響でその道も閉ざされた。

▼ボルヴィック発売当初は、「水はただ」というイメージが相変わらず根強かっただけに、輸入天然水を定着せるのは至難の業だったはずだ。