輸入チーズ ピンチをチャンスに 新チャネル開拓に挑む

「加工食品・外食向けともに順調だったが、3月後半から怪しくなり、4~5月は大幅な前年割れ。6月は回復傾向だが、(通期では)戻っても前年の6~7割だろう」(専門商社)。新型コロナ感染症拡大を受け、業務用製品が苦境に立たされているが、第1波に続く第2波の到来を受け、業務用ユーザー向けの輸入チーズも厳しい状況に置かれている。

5月末には全国的に緊急事態宣言が解除されたものの、7月に入り再び新規感染者数が増加に転じ、専門家が警鐘を鳴らす事態。新しい生活様式では、ソーシャルディスタンス確保のため外食の席数は減少し、ビュッフェスタイルでの食事の提供もできず、大都市圏では大人数(5~6人以上)の宴会も自粛を求められるなど、外食、ホテルやレストラン業界への打撃は大きく、業務用は先行きがまったく見通せない状況が続いている。

こうした状況下、業務用を中心に展開してきた輸入チーズ業界では、アンダーコロナ長期化をにらみ、ECに活路を求める動きが出てきている。ネット通販大手に出店している業者などと組み、チーズの間口拡大を狙う取り組み。自社ECサイトも展開する業者では、3月以降、ECの引き合いが増えているといい「業務用の部分をカバーできるとは考えていないが、現状、ECでどれだけ拾えるかがポイント。リモート飲み会や家のレストラン化などに見合った商品を随時投入していきたい」との考えを示す。実際、ECはターゲットマーケティングには最適なチャネルだけに、間口拡大に向けたさまざまな取り組みを展開できる可能性に満ちている。

家庭用チーズ市場はこれまで、スライス、ベビー、ポーション(6P)といったプロセスチーズが主流だったが、前述の通り、リモート飲み会、家のレストラン化などによる家庭内での調理や食機会の増加で、さまざまな使い方ができるナチュラルチーズに対する注目度が高まっている。

アンダーコロナ禍で認知や使用機会の拡大を図り、アフターコロナでの継続使用につなげていく。新型コロナの現状を考えれば、当面、業務用は厳しい状況が続く。このピンチをチャンスに転換し、次のステージにつなげるべく、業界として間口と奥行拡大に向けた取り組みが求められる。